東京コウモリ探検隊!2014年調査計画書

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執筆:宮本 拓海 (東京コウモリ探検隊!)
2014年1月(後で更新することもあります)


■1.前文

昨年2013年に開始した東京都23区のコウモリ調査、2年目の開始です。
昨年は全体の10%ほどの面積しか達成できませんでしたが、今年は参加者も調査面積もさらに増やすことを目指します。全域をカバーするのはまだ難しいと思いますが、まずは少しずつでも増やしていきましょう。

調査の方法は簡単です。
「隊員にいろいろな場所でアブラコウモリが飛んでいることを確認してもらう」
ということです(昨年よりさらに簡単にしました)。
観察結果は宮本が集計し、報告書と地図を作成します。

コウモリの観察はそれほど難しいことはありません。皆様の参加をお待ちしています。詳しくは以下に書いてありますので、まずは一通りご覧ください。

■2.調査の目的

この調査の目的は
「東京都23区でのアブラコウモリの生息地図を作ること」
です。
私の当初の予想は「東京都23区全域にアブラコウモリは生息している」というものでした。しかし、さっそく1年目から目撃できない地域があり、どうも均一には分布していないらしいことも推測されるのです。「アブラコウモリは都市でも普通に生息している」と言われることがありますが、どこにでも生息できるわけではなさそうです。どこにアブラコウモリがいるのか、いないのか、具体的に知りたいです。
また、観察の結果を集計・分析すれば、おおよその生息数を推定することもできるかもしれません。これも重要なことです。

もう一つの目的は、
「ネット参加型生物調査の方法のフォーマットを作ること」
です。
ネット参加型生物調査にはいろいろな方法がありますが、ひとつのやり方を「フォーマット化」しようと考えています(東京コウモリ探検隊!のホームページ全体がフォーマット(マニュアル)だとも言えます)。
もちろん、地域や動物によって調査方法は違ってきます。東京タヌキの調査方法ともかなり異なったものになっています。調査方法はいろいろ考えられますが、そのひとつの実例を示したいと思います。
フォーマット化ができれば、似たようなことを考えている方々の参考になるでしょう。他の地域、他の動物でも挑戦する人が出てくることを期待しています。

■3.アブラコウモリとは

アブラコウモリといっても知らない人が多いでしょう。
アブラコウモリはアジアに広く生息するコウモリで、日本でも広い地域に生息しています。特に平野部で見られ、大都市にも生息しています。アブラコウモリは建物の隙間をねぐら・冬眠場所とします。そのために都市部でも生息できるわけです。家屋にすみつくことからアブラコウモリは「イエコウモリ」とも呼ばれます。

アブラコウモリの見つけ方はこのページをご覧ください。

■4.調査方法

●隊員参加資格

東京都23区に在住、在勤、在学の方。通りすがりの方、旅の方でも誰でもOKです。個人参加でも家族参加でも可です。学校(部活動、サークル活動なども含む)での参加も可。ただし、小学生にはちょっと難しいかもしれません。

●参加申し込みのメールを送る

まず宮本に参加申し込みのメールを送信してください(メールアドレスはこのページの最後の方に記載しています)。
メールにはお名前(ペンネーム可)をお書きください。結果をまとめた報告書には隊員全員の名前も掲載しようと思っているからです。が、本名をネット公開するのには抵抗がある人もいるでしょうからペンネームでも可としますし、「匿名希望」でもかまいません。
隊員にはデータ整理のために隊員番号を割り当てます(毎年、隊員番号はリセットされます)。
なお、番号001番は私、宮本(永久1番)です!

※アブラコウモリの飛翔を見たことがない方は、まず観察してみて、それから登録してもかまいません。

●観察する

観察場所は隊員にお任せします。どこで観察すればよいかわからないという方は宮本に質問してください。観察できる地域を指定していただければ、宮本が具体的な候補地を提案します。川(橋)と公園が主な候補地になるでしょう。

補足:目撃場所は、集計時には「地域メッシュコード」(JIS X 0410)で管理されることになります。これは日本国内全体を(ほぼ)同面積(約1km×約1km)で区切ったものです。地域メッシュコードについては知らなくても大丈夫です。集計する側の利便のためのものですから。
(東京都23区全体のメッシュの数は約700あります。ということは、一部の人が複数のメッシュで観察しても、全域をカバーするには数百人規模の参加が必要になります。)

観察日の指定はしません。4月〜10月のいつでも観察してください。
※それ以外の期間の観察もOKですが、報告提出の最終期限は11月30日とします。
観察の時間帯が日没前後に限られているので、たくさんの観察場所すべてを1回で回ることは不可能です。無理せず何度かに分けて観察してください。

8月〜9月は「目撃できなかった場所」の報告もお願いします。これは、アブラコウモリがいないことを確認するためで、重要な意味があります。 観察時間は日没前後、観察場所は河川や公園など「開けた場所」で目撃できなかった場合に報告してください。
目撃できなかった場合は、可能な限りでかまいませんので1週間以上の間をあけてもう一度同じ場所で観察してください。報告は1回目も2回目も必ずしてください(日時等をはっきりと記録するため)。

アブラコウモリは10月後半になるとほとんど活動しなくなります。そこで、11月は「それ以前にもアブラコウモリが観察できた場所」に限って観察してください。新しい観察場所に行っても目撃できる可能性は非常に少ないでしょう。

●もひとつ観察をお願いします

コウモリを探していると河川でサギ類も目撃することがあるはずです。実はサギ類は基本的に夜行性で、夕方以降の方が目撃しやすいのです。昨年、神田川水系を探索したところ、あちこちでサギ類を目撃でき、気になっているのです。そこで、サギ類についても同様に報告をしていただきたく思います。
東京都23区で目撃できるサギ類は、ゴイサギ、アオサギ、コサギ、ダイサギです。見分け方はこちらのページをご覧ください。

●観察の記録の仕方

観察の時にはメモ帳、筆記用具、時計(&懐中電灯)を持参してください。
※これはスマートフォンですべて代用できます。私の場合はiPod touchのメモ帳に記入するようにしています。暗くなってきたら画面の明度を落として使った方がいいでしょう。
位置情報は、Google Mapsアプリで、「地図上にピンを置く(置きたい場所を長押しする)」→「ピンをタップ」→「共有」→「クリップボードにコピー」で別のアプリにペーストすることができます。

地図とメモ帳を組み合わせたアプリがあると便利なのでしょうが、そのようなアプリはないようです。実際に観察記録に使えるアプリがありましたら教えてください。

観察時には以下のことをメモするようにしてください。

・時刻
・場所(正確な緯度経度は帰宅してから調べてもかまいません。観察者の場所ではなく、コウモリが飛翔していた場所を記録してください。緯度経度の調べ方は下に書いてあります。)
・頭数(確認できる頭数でかまいません。確実に数えられるのは10頭ぐらいが上限だと思います。なので「10頭以上」という表現でもかまいません。)

観察場所は前もって決めておいたほうが観察も記録も楽になります。観察時間は限られているので効率的に移動しましょう。
学校などの場合は敷地内に入る必要はなく、敷地外からの観察で十分です。(学校の場合、プールがあるならその近くを必ず観察してください。)

●報告する

アブラコウモリが確認できたならば記録を整理してメールで報告してください。後でまとめて報告してもかまいませんが、記憶が新しいうちに報告した方がいいでしょう。
場所ごとに、日付、時刻などをセットで書いてください。「その他」は何か気付いたことがあれば書いてください。
サギ類の場合も書き方は同じです。

・報告の書き方の例


・日付:2014年x月x日
・時刻:18時06分
・場所:杉並区高円寺南3-x-x、駐車場(名称不明)
・位置情報:35.699695,139.646042
・頭数:1頭
・その他:

・日付:2014年x月x日
・時刻:18時40分
・場所:杉並区高円寺南1丁目、かえる公園
・位置情報:35.700414,139.657124
・頭数:3頭
・その他:


※目撃できなかった場合は頭数を「0頭」と書いてください。

※サギ類はサギの種名も書いてください。

※位置情報とは緯度経度のことです。調べ方には以下の方法があります。この方法は前もって練習しておいた方がいいでしょう。こちらの集計の負担軽減にもなりますので、ぜひマスターしてください。

パソコンでGoogleマップ(新)を使う

パソコンでGoogleマップ(旧)を使う

スマートフォンで「Google Maps」を使う

スマートフォンで「Google Maps」を使う場合は、「http〜」の部分が位置情報になりますので(緯度経度情報も含まれています)、それを使ってください。

2014年の報告の最終期限は11月30日とします。

●観察結果は宮本がまとめます

報告されたデータは宮本がデータベースで整理し、地図を作成します。報告書はできるだけ早く公開します。

※観察場所はGoogleマップで公開します。観察場所と観察日のみを公開しますのでご了解ください。

●宮本ができないこと

宮本はいつでも観察に割ける時間があるわけではありません。ですので宮本ができることは限られています。
コウモリの観察にはいろいろな視点や方法があります。宮本ができないことは皆さんが挑戦してみてください。

・定点観察
ある特定の場所で長期間観察することです。アブラコウモリが最初に現れた日付、最後に現れた日付、飛翔開始時刻の変化、頭数の季節変化など定点観察では多くの情報が得られます。気温や風速との関係を調べてみるのも面白いでしょう。

・東京都23区以外での調査
東京コウモリ探検隊!の調査は東京都23区限定です。それ以外の地域の方もぜひご自身で取り組んでみてください。調査方法は東京コウモリ探検隊!のものを参考にしてください。狭い地域ならば1人〜数人でも全域調査は可能でしょう。

■5.その他

宮本の連絡先はこのメールアドレスです。

miyamoto.takumi%gmail.com

[迷惑メール対策用にメールアドレスを一部改変しています。「%」は「@」に置き換えて下さい]

Google+の個人ページに経過を報告したりしますのでご覧ください。


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