東京コウモリ探検隊! 探索録
2025年08月11日の巻
2025年08月11日(月)
地下鉄に乗った時に世間的にはお盆休みなのだと気づく。客層がいつもと何となく違う。何となく人も少ない。正確には今日は山の日で3連休でもあるが実質的にはお盆休みだ。ちなみに宮本隊長の観測できる宇宙にはお盆休みは存在しない。この10年ぐらいずっと存在しない。この時期は必ず仕事があることが確定している。なので探索は行ける時に行かなければならない。幸い明日は早朝仕事ではない。
都営地下鉄の東大島駅は旧中川の上をホームがまたいでいる。今日はここから出発。日没時刻まで時間があるのでベンチでしばらく待つ。気温は低いが湿度が高い。日没時刻を過ぎて移動開始。旧中川へ向かう。旧中川を南下。かすかに雨が降っている。
河川敷にミニヒマワリ畑。ただ盛期は過ぎておりちょっと残念な感じ。アブラコウモリ探索は花の時期などは気にせず行っているのでだいたいこういうことになる。
さらに南下して小松川公園に入る。階段を登って行くとそこに旧小松川閘門。また来ました。写真は前回とは逆方向から。傘がほしくなる程度の雨になる。それでもこの程度ならアブラコウモリは活動している。
旧中川を南下して、荒川ロックゲートを西側から撮影したいと思ったが壁が高すぎてよく見えない。残念だが方向を変えて北上する。河川敷を歩いていけばすぐに小名木川との合流地点に着く。ここから西進。だが、番所橋をくぐった先で車道に上がり北の大島小松川公園・わんさか広場に向かう。広場にはすぐ入らず南の外周を歩いてみたが広場はかなり高い位置にあり、これではアブラコウモリの超音波を聞き逃しそうだった。東側から広場に入るとすぐに超音波を確認できた。ところが風速計が起動しない。おそらく電池切れ。普通は1年は持つのに。予備のリチウム電池はちゃんと持ってきているので交換。風速計は安いもので、精度は期待していない。少し前の製品なのでAmazonではもう扱っていないが2000円程度の製品が後継機のようだ。気温も測れるがこちらも精度は期待していない。広場をぐるっと回って小名木川に戻る。番所橋から見下ろすとアブラコウモリが飛んでいるのが見えた。既に雨は完全にやんでいる。
小名木川では遊歩道南岸を歩く。次の橋は塩の道橋、前に渡った橋である。砂島橋で車道に上り、南へ向かう。北砂5丁目団地の緑地にアブラコウモリがいそうに思えたからだ。林は大きく木が茂り、アブラコウモリも確認できた。再び小名木川に戻る。この時点でもう5kmほど歩いている。
遊歩道に下りる前に見かけたのが、小名木川旧護岸。何も説明が書かれていなかったので、とりあえず写真だけ撮っておいた。実は説明はこの裏側、川に面した方に書かれていたのだ。この直後、その前を通過したのにまったく気づかなかった!
さらに進んでJR貨物線の鉄橋までに2ヶ所でアブラコウモリを確認。そしてここからは最終盤までアブラコウモリは観察できないことになる。写真はJR貨物線の鉄橋。そして次の橋が小名木川クローバー橋。ここは小名木川と横十間川の交差点で、X字に橋がかかっている。その形を写真に撮ろうとしたがうまくいかない。隣接する建物の上から撮るのが一番いいのだろうが。川の交差点というのもおかしなことだが、どちらの川も人工の運河なので不思議でもなんでもない。
小松橋をくぐるといよいよ扇橋閘門である。ここは脇を通り抜けられなかったはず。だが、あれれ、通れそうだぞ。前回来たのは2016年、その時は工事中だったのか。金網フェンスはあるもののすぐ近くから閘門を見ることができる。写真は扇橋閘門脇を通過して新扇橋から振り返ったところ。
先に進むと今度は大横川との交差点に着く。が、ここには橋はない。ということは前回2016年にも経験済み。南へ迂回し、扇橋で対岸に渡る。再び小名木川に戻り、新高橋を見て気がついた。橋が低い。いや、水面が高いのか。ここから西は閘門はない。合流する隅田川も河口域であり、つまり海水と同じ高さだ。閘門は水位差がある水路をつなぐための施設である。ということは先ほどの扇橋閘門と荒川ロックゲートの間は水位が低いということだ。しかもかなり低い。扇橋閘門の東側では遊歩道は車道より2mほども低かった。小名木川旧護岸は水位を強制的に低くくしていなかった時代のものだとわかる。
新高橋の下をくぐる遊歩道はさらに低くなっており、壁のすぐ向こうで水がちゃぷちゃぷ音を立てている。路面より水面の方が高いようだ。続く大富橋、東深川橋は橋の下がトンネルになっている。やはり水面下のようだ。西深川橋の下は浮橋になっている。つぎの高橋もトンネル。前方に小名木川水門が見えてきたがここでまさかの行き止まり。どこまで引き返せばいいんだ?と思ったが意外と近くで車道に下りることができた。
萬年橋からあらためて小名木川水門を見ようとしたら目の下の護岸にゴイサギ成鳥1頭が飛来してきた。しばらく見ていると水に飛び込んだが何もつかまえられなかったようだ。ゴイサギは魚食である。普通は水深が浅い所で漁をするのだが、ここではそうもいかない。萬年橋を過ぎるとついに隅田川に合流する。
写真はライトアップされた清洲橋。橋の下では遊歩道の路面がすこし低くなっているのだが、路面はほぼ水面と同じ高さだ。増水した時は明らかに危険な場所である。清洲橋の少し南で車道に登る。階段はけっこう高い。さて、すぐ先には清澄排水機場があり、東へ仙台堀川が続いている。予定では東進して木場まで行きたかったのだがもう3時間が経過しつつある。残念だが今日はここで断念せざるを得ない。だが目の前には清澄公園がある。最後にここを通り抜けることにする。
清澄公園に入った途端アブラコウモリの超音波が聞こえた。さすが清澄公園だ。これだけの樹木の数と密度があればアブラコウモリの生息は当然である。清澄公園を通り抜け、細い道路をはさんで東側は清澄庭園である。こちらは夜間は入れない。道路からの確認ではあるが、清澄庭園にもアブラコウモリはいる。こちらには池があるのもアブラコウモリには利点である。そういえば先ほどのゴイサギもこちらが主な活動場所なのかもしれない。
清澄庭園の脇を通り抜ければ清澄白河駅に到着である。今日はこんなに歩くつもりはなかったのだが、寄り道をするとこうなってしまう。計画を立てるのもなかなかに難しい。
日没時刻 18時35分
観察箇所数 22
歩行距離 10.7km
歩行時間 約3時間10分
気温 29℃→29℃
筆了2025年08月25日(月)