東京コウモリ探検隊! 探索録
2025年08月25日の巻
2025年08月25日(月)
8/18(月)から27(水)まで東京の最高気温は連続35℃以上つまり猛暑日だった。猛暑日連続10日は新記録。アブラコウモリ探索は夜なのでまだ楽だが、体力を消耗することにはなる。
この探索録では事前に知っていたこと、その場でネット検索して知ったこと、帰宅してから調べたことを混ぜて書いているが、今回は前に探索に来た時といろいろと違っているので脚注を入れることにした。脚注は帰宅後に調べたことを原則書いている。
「前回は」とか「前に来た時は」とあるのは前回、豊洲、有明を探索した2016年のことである。
今回は豊洲から有明を歩く。
豊洲駅からはまず北へ向かう。ららぽーとの北側で海岸に出たのだが、対岸のでかいマンション群に驚く。前にはなかったのではないか? いや、前回はここには来ていないので前からあったのかもしれないが…どちらだろう?(※)
(※)前回は一番手前のマンションはまだ建っていなかった。
景色を眺めていると、アブラコウモリの超音波が聞こえた。ちょうど目の前の海の上を南へ飛んでいくアブラコウモリを発見できた。豊洲にはアブラコウモリがいるのだ。数が多いわけではなさそうだが安定して生息できているらしい。
海沿いに南下するとクレーンがある。今日の目的のひとつはこのクレーンである。かつてここにあった工場の遺構らしいが、昔の姿そのままではないらしい。言われてみればクレーンにしてはサイズが小さいように思える。写真のように現在はライトアップされていて実用的なものではなく観光用のオブジェという感じになっている。
そのすぐ下には橋がかかっているが、Googleマップの航空写真を見て跳ね橋だとわかる。知らなければただの橋だと思って通過してしまいそうだ。橋を持ち上げるワイヤーも吊り橋のように見えるのだ。
南に歩いて大通りに出ると、外国人観光客が行き来している。東へ向かっているのは豊洲市場からの帰りだろうが、西へ向かっているのはどういうことだ? もうすぐ19時だが豊洲市場はまだやっているのか? その答えがわかるのは今日の探索が終わってからだった。
大通りの南側を西へ進むと蒸気機関車が展示されている。鉄道院403号。明治時代のイギリス製蒸気機関車。後世の機関車に比べるとずいぶん小さい。かなり修復の手が入っているように見える。2022年移設と書かれているので前回はここにはなかったのだが、宮本隊長は前回はここは通っていない。
ここからは南へ向かい、海岸沿いに進む。ここでは複数箇所でアブラコウモリを確認できた。樹木がいい具合に成長しているのがプラス材料なのだろうか(※)。あるいはこれから紹介する旧防波堤から来ているのか。
(※)この辺りのマンション群は前回の時点で既に完成している。
前方にはその旧防波堤が見えてくる。真っ暗なシルエット。人工物はなく樹木だけが茂っているので真っ暗に見えるのだ。
木遣り橋を渡る途中、橋の上からの写真。右の森が旧防波堤の樹木。橋の路面がちょうど樹冠ぐらいの高さになる。少し遠いがアブラコウモリの超音波が聞こえる。アブラコウモリにとっては確実で安定した活動場所と言える。
橋を渡ると有明アリーナがある。前回はこんなの絶対なかった! 確かここは空き地で、アブラコウモリを確認した。こんな建造物ができてしまってはアブラコウモリも来なくなるはずだ。(※)
(※)有明アリーナは2017年着工、2019年完成。
さらに歩くと、右手奥に明るく輝く建物がある。地図によると有明ガーデン、らしい。これも前回はなかった。うーん、この辺りはかなり変わってしまった。(※)
(※)有明ガーデンは2020年開業。
有明小学校有明中学校の先には空き地がある。アブラコウモリが期待できそう…実際、空き地脇で超音波を確認できた。が、アブラコウモリを確認できたのは今日はここが最後となった。実は前回に来た時も有明の南エリアではアブラコウモリは確認できていない。
ここからは東へ進む。いくつか確認しておきたい場所があるからだ。りんかい線・東雲駅横を通過。ここに駅があるとは知らなかった。いつも国際展示場駅までしか乗らないからなあ。この少し先に東雲駅前公園があるが、小さすぎる公園でアブラコウモリはいない。ここから折り返す。途中に空き地があるのを前もって地図で確認していたのだが、更地になっていた。樹木は伐採されてしまっている。雑草が少々あるだけ。ただの更地ではアブラコウモリは来ない。掲示によると今年の冬には建設工事が始まるらしい。その少し南にも空き地があるはずなのだが、こちらはもう建物が建ってしまっている。樹木はある程度残されているが、アブラコウモリが来るほどではないか。
ここからはビッグサイトに向かっていく。海の向こうには大観覧車とゲートブリッジが見える。右手に見えるのは東京臨海広域防災公園だが、ここは樹木密度が低すぎてアブラコウモリは期待できない。そもそも夜間は入れないのではなかっただろうか。なのでビッグサイトの東新展示棟に沿って進んでいく。樹木のあるエリアもあるのだが、アブラコウモリはいない。ビッグサイト前を通過して水の広場公園に入ってもいない。水の広場公園は一部が工事中で入れなかったが、その先でまた海沿いに出る。今度は北に進んで行く。夢の大橋の下をくぐる。その先には使われてない橋がある。車道がつながっているわけではなくなんとも不思議な橋である。(※)
(※)青海橋。2020年のオリンピック前までは歩道として渡れていた。撤去が予定されているが、工事が始まりそうな気配はない。
ここから振り返ってみると、夢の大橋が不思議な風景に見えてくる。ぼんぼりが並んでいるというか、お祭りのような雰囲気というか。イベントをやっているわけではないのでほぼ無人である。
さらに北へ進みたかったが道路にはばまれて東へ向かう。今度は南に戻って、建物群にはさまれた遊歩道を東へ進む。この遊歩道は夢の大橋から続く道である。ここも樹木はあるがアブラコウモリはいない。(※)
(※)この辺りは前回なかった建物がある。
さらに進むと国際展示場駅前である。ビックサイトに向かう時に必ず通るあの場所である。この辺りもぐるりと歩いてみるがアブラコウモリはいない。
ここからは北に向かう。歩道橋で道路を越えると有明テニスの森公園である。が、おかしい。前回とかなり様子が違う。コロシアムは前もあったが、この特別コートはなかったよな?(※)
(※)「特別コート」すなわちショーコートは2019年開設。隣のハードコートは2022年開設。
テニスコートの間の道を西へ進む。利用中のコートもあるがアブラコウモリはいない。明るい照明があれば虫が来てアブラコウモリも来ていいはずなのだが。ぐるりと周回したがアブラコウモリはやはりいなかった。前回来たときは確認できたのに…。なぜいないのだろうか。周辺の空き地が減り、環境が悪化したからだろうか。
さて、探索開始からもう3時間が経過しつつある。切り上げ時だが駅から微妙に遠いな。もう1ヶ所行くか。テニスの森公園を出てマンションの間を北に抜ける。この先に今日最後の目的地の空き地がある。が、ここにもアブラコウモリはいなかった。樹木が無い空き地ではアブラコウモリは難しいか。空き地からはキリギリス類のノイズが聞こえる。道路南側の街路樹からはアオマツムシの鳴き声が聞こえる。(※)
(※)前回も空き地だったのだが、オリンピックの時は何かに使っていたようだ。BMX会場か?
有明テニスの森駅に到着。今日の探索はこれで終了。それにしても今日も暑かった。気温はずっと31℃だった! 海岸地帯ならもう少し涼しくてもよさそうなのに。
駅ホームからはレインボーブリッジが見える。すぐ近くに有明アーバンスポーツパークがある。(※)
(※)2024年開業。2020年オリンピックのスケートボード会場だった。
ゆりかもめは豊洲市場へ向かう。前回は一帯は工事中だったはず。(※)
(※)前回時点で豊洲市場の建物はだいたいできていた。2016年11月開場予定だったが延期になった。2018年10月、築地市場から豊洲市場へ引っ越しが行われた。
さらに進むと下にチームラボプラネッツがある。チームラボ、こんなところにあったんだ…。しかも建物の前に人々がいるところをみるとまだ営業しているのか。豊洲で見かけた観光客はここへ向かっていたわけか。(※)
(※)2018年開業。22時まで営業している。今回はちょうど22時直前だった。
ゆりかもめは豊洲駅に到着。本日はこれで本当に終了。
日没時刻 18時18分
観察箇所数 9
歩行距離 10.9km
歩行時間 約3時間10分
気温 31℃→31℃
筆了2025年8月31日