東京コウモリ探検隊! 探索録

2025年09月01日の巻

2025年09月01日(月)

いったん途切れた猛暑日が土曜から戻ってきた。

今回は台場方面に行く。前回、台場へ行ったのは2014年。アブラコウモリ探索の1周目の2年目のことである。この年は23区のあちこちへ行って生息を調べた。その南の青海には2017年に行っている。

台場にはゆりかもめで向かう。新橋駅の広告で今年はゆりかもめ30周年であることを知る。レインボーブリッジからは富士山は見えない。冬だと見えることがあるが、夏に富士山が見えることはまずない。代わりに今日は「あれ」が見えている。「あれ」については後ほど。

お台場海浜公園駅からまずは台場公園つまり第三台場に向かう。日没前だが第三台場に着く頃には日は沈んでいるはずだ。前回は暗くなってから来たのでまったく見えなかったが、台場の基礎は石垣でがっちり固められているのがわかる。
台場は少し高くなっている。そして、地図ではわかりにくいが中は深くくぼんでいる。照明がないので真っ暗だと降りるのはこわい。なので前回は降りなかった。今日はまだ明るいので降りてみることにする。説明によると陣屋跡、かまど跡、砲弾庫があるのだが詳細な説明がないのでその価値もよくわからない。また縁に登ってみると砲台跡がある。ただし、これは江戸時代のものではないそうだ。とにかく説明不足で物足りない。これではわざわざここに来る人もあまりいないだろう。

第三台場を降りて海岸沿いを歩いていくがここまでまだアブラコウモリを確認できていない。台場の建物群の上に月が見える。

海岸の歩道を歩いていってようやくアブラコウモリを確認する。その後は続けて確認できた。海岸沿いの林がアブラコウモリにはちょうどいいようだ。ただそれもマリーンハウスあたりまでで、その先にはいなくなる。木の本数、密度が減るのが原因と見た。

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さらに進むと自由の女神像。背中を眺めながら通過するだけのはずだったが、その先の浜辺は工事中で入れなくなっていた。海上噴水の工事らしい。仕方なく自由の女神像の正面を拝んで車道に出る。
さらに進んで潮風公園に入る。ここまでは港区、ここから品川区になる。ここで再びアブラコウモリを確認できる。ここも樹木は十分にある。潮風公園も海岸沿いにフェンスがあるため浜に出ることはできないし海を眺めることもできない。公園内ではネコ1頭を目撃。
南へ南へ進んで行くのだがついにフェンスに阻まれてしまった。この先の橋を渡りたかったのだがそちらには行けないのか…? フェンス沿いに東へ少し進むと壁は途切れ、橋につながっていた。

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潮風橋に着くと南奥にあれの巨体が見えてきた。あれとはイギリス海軍空母HMS Prince of Wales(プリンス・オブ・ウェールズ)! HMS PoWが約1週間、東京国際クルーズターミナルに寄港しているのだ。アブラコウモリ探索の経路上にHMS PoWがあるのは偶然ではないが偶然である。先週の探索は豊洲~有明だったが、それならば次は台場に行こうと決めていた。HMS PoW寄港のニュースを知ったのはその後のこと。探索では海岸沿いの緑地を進むことになるためHMS PoWの近くにも立ち寄ることになるのは当然である。
潮風橋からはHMS PoWの正面が見えるため、距離はあるものの20人以上がカメラ、スマホを向けていた。この距離からでも艦載機F-35Bが4機並んでいるのがわかる。

HMS PoWは船としてはかなりの大きさだがその大きさの感じがわからないのでいろいろな船の大きさを調べてみた。

・ノック・ネヴィス(石油タンカー) 458.45m

・アイコン・オブ・ザ・シーズ(世界最大のクルーズ船) 365m
パナマ運河を通過することを想定するとこれがほぼ最大サイズとなる。

・アメリカ海軍・空母ジョージ・ワシントン 333m
ニミッツ級空母は世界最大の軍艦である。

・クイーン・エリザベス(クルーズ船) 294m
HMS PoWはクイーン・エリザベス級空母の2番艦で、1番艦が「HMSクイーン・エリザベス」である。つまり同じ名前の軍艦と民間船が同時に存在しているのである。しかも大きさもほぼ同じ。

・ダイヤモンド・プリンセス(クルーズ船) 290m

★HMSプリンス・オブ・ウェールズ 284m

・海上自衛隊・ヘリコプター空母いずも 248m

・飛鳥3(クルーズ船) 230m

・各国のイージス艦 150~170mぐらい

・宗谷(初代南極観測船) 83m
東京国際クルーズターミナルの手前にある船。

うーん、とにかく大きい。としか言いようがない。

さらに南下し、空母に近づく。桟橋の手前にはさらにたくさんの人が来ている。夜なのに。F-35Bもよく見える。と言うより見せつけているのだろう。明らかにデモンストレーションとして並べている。アイランドも見える。この時は気づかなかったが、HMS PoWはアイランドが2つあるのか…。

さて、アブラコウモリ探索に戻る。空母を後にして東に進む。が、ここで奇妙なことに気がついた。船の科学館が見えてこない…いや、船の科学館がなくなっている? フェンスの掲示を見つけて初めて船の科学館が解体されてしまったことを知る。いつの間に…。

陸上から桟橋へはHMS PoWの乗員らしき人たちが帰ってきている。HMS PoWは乗員1600名という。アメリカの空母だと5000人を超えるので意外と少ない。艦載機の数が乗員数に影響するのだろうか、と推測。

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船の科学館は消えてしまったが初代南極観測船、宗谷は健在である。背後にはHMS PoWが見えている。HMS PoWが大きすぎてターミナルの建物からはみ出している。上空には月。ちなみに宗谷の辺りから南は江東区になる。埋立地の領土分割はなんだかややこしい。
ここからはまた海岸沿いを南下していくのだがHMS PoWはまだ見えている。後部甲板にはヘリコプターらしき機体が2機見える。ローターと尾部を折りたたんでいるので遠くからだとヘリコプターとはわかりにくい。後で調べるとアグスタウェストランドAW101らしい。艦の後部側面には大きく開いた搬入口が見えるがこの距離では何があるのかわからない。その手前にクレーン車がいて、腕を伸ばしている。明日出航だろうに今から作業ですか? 帰ってから写真を見ると艦尾にあるのはファランクス…なのだろうか? こちら側から空母を見ている人は宮本隊長の他には1人しかいなかった。
空母の話はここまで。

南下していくと広大な空き地がある。以前は温泉施設があった場所だが今は更地になってしまっている。

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さらに南は青海コンテナ埠頭。巨大なガントリークレーンが並ぶ。その手前で行き止まりになるので東に向かう。青海南ふ頭公園の一部で、細長い緑道になっている。ここに入るとすぐにアブラコウモリを確認できた。東端に着くまでにも何か所かでアブラコウモリはいた。樹木だけでなく池があるのもアブラコウモリにはいい環境である。埋立地でも条件がそろえばアブラコウモリの定住は可能なのである。ここから南は緑地がほとんどないのでここが限界ではある。ただ、海を越えた中央防波堤にはアブラコウモリはいる。中央防波堤へは来年以降行ってみる予定。

ここからは北上する。ビルにはさまれた滝の広場でアブラコウモリを確認。その東のゆりかもめ沿いでも確認。樹木はそれほど多くはないが生息は可能らしい。本日のアブラコウモリ確認はここまでだった。 セントラル広場に向かっているとまたもやHMS PoWの乗員らしき人たちが徒歩で帰艦している。日本での観光、買い物は楽しめただろうか。
セントラル広場まで来れば今日の行程はほぼ終わりである。あとは駅に向かうだけだが…ここに来たなら実物大ユニコーンガンダムを見なければなるまい。ガンダムはすぐそこに屹立している。ガンダムのサイコフレームが赤く光っている。足元の案内を見ると00分には何かプログラムをやっているらしい。そして今20時54分。なんというジャストタイミング。前もって調べたりはしていなかったので本当に偶然。21時からガンダムの変形、ライトアップ、映像投影など。数分のプログラムだが満足。昼よりも夜の方が見栄えがいいのではないか? ユニコーンガンダムの画像映像は多くの人がネットに載せているだろうから省略。

この後はもう駅に向かうだけである。まっすぐ東へ行けば先週来たばかりの有明なのだが今日は出発から3時間超、もうそんな元気はない。そう言えばここにあった観覧車がなくなっている。
りんかい線・東京テレポート駅に到着、今日はこれで終了。この暑さ、あと2日の辛抱である。

日没時刻 18時09分
観察箇所数 16
歩行距離 9.7km
歩行時間 約3時間15分
気温 30℃→30℃

筆了2025年9月29日

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