東京コウモリ探検隊! 探索録

2025年09月15日の巻

2025年09月15日(月)

前回の探索の後はまた暑くなってまた少し気温が下がって、今日は最高気温は30℃ぐらい。暑いが盛期は終わった。猛暑日はもうないだろう…と思いたい。

さて、今回も後で調べたことは脚注として記すことにする。過去の土地利用の経過はGoogle Earth Proで調べることができる。東京都心だと1997年以降の航空写真画像を見ることができる。

今回と前回ではルートは違うが、前回は2016年に来ている。まだ晴海の西部が空き地だった時代である。

出発は都営大江戸線・勝どき駅から。まずは隅田川に向かう。隅田川テラスに出てすぐにアブラコウモリを確認。隅田川はこの辺りはほぼ海水のはずだが、月島の河岸では前回もアブラコウモリは確認している。緑地が多いわけでもないので不思議ではある。
西へ進む。ポンプ所は何か工事中。この辺りは古びた感じの町並み。

IMG_0224

進むと壁に鉄扉がある。大きなスイングドアになっていて、どうやら高潮などで流入する海水を食い止める役割のようだ。(*)

(*)陸閘と言うそうだ。よく探せば勝どきのあちこちにあるらしい。

南へ向きを変えると、大きな2棟のマンションが建設中である。前回とは様子がまったく違う。その南は小学校と運動公園なのだが、なんか記憶と違うような…。学校も運動公園もあったはずなのだが。(*)
ここでは前回はアブラコウモリがいたが今回はいない。

(*)前回は新校舎ができたばかりで隣に旧校舎がまだあった。運動公園も部分的に新しくなっている。

朝潮小橋で晴海側へ渡る。この辺りは前回と同じ風景。が、運河沿いに西へ進むと突如バスターミナルが出現。明らかに新しい。その先の建物も初めて見るものばかり。清掃工場は前回もあったが、その西側、南側は前回は広大な空き地だった。一部は草が茂っていたのでアブラコウモリもいたが、今回はどうか。
まずは晴海フラッグサンビレッジというマンション群に踏み込む。そんな名前がついていたのか。建物群中央の中庭に入った途端、アブラコウモリの超音波が聞こえた。アブラコウモリ、いた! この中庭、できてそれほど経っていないのに樹木は大きめである。わざわざ大きい木を植えたらしい。池もある。人工の水景施設というのは維持管理が大変なのでかなり欲張ったつくりである。アブラコウモリの生息環境としては十分と言える。

IMG_0261

マンション群を出ると晴海ふ頭公園。芝生広場の先に大きな「TOKYO」のオブジェがある。何やらいろいろな模様が表示されている。大きなディスプレイパネルなのかと思ったが、すぐ手前にいる人の影が写っていることに気付く。ということはどこかから投影されているということか。振り返ると強烈な光源が車道脇にある。あれか。小型のプロジェクションマッピング、ということだろう。この方が運用も維持も楽だろう。(*)

(*)正しくは「TOKYOモニュメント」という名前らしい。当初は反対運動もあったようだが、そんなことは無視されてしまう。なんと1.6億円もしたそうだ。東京都の予算から見ればそれくらい端金。だから金銭感覚がおかしくなってしまうのだ。小さな自治体から見れば目が回るような話。

芝生広場の先の埠頭は以前と同じ(*)。芝生広場と埠頭ではアブラコウモリの超音波を確認できた。前回同様、生息を確認できて一安心。樹木が少ないので一時的に訪れているだけなのだろう。

(*)帰ってからGoogle Earth Proで過去画像を見ると、前回は木が林立していた。なぜ伐採した? そして、なぜアブラコウモリは今もここに来るのか? マンション群の緑地と合わせて大きな行動圏になっていると考えるべきか。

埠頭の船は大成丸(*)。帰って調べよう。

(*)大成丸。海技教育機構が保有する航海練習船。今はネット検索でたいていわかる。

マンション群の方へ戻る途中、船の形の大きな遊具がある。その隣はくねくねとうねった斜面。子どもたちは喜びそう。

次のマンション群、晴海フラッグパークビレッジの中庭へ入る。こちらは木が少し小さいか? 池はある。がアブラコウモリはいない。先ほどのサンビレッジとは何が違うのだろうか? 施工会社が違うのか、植栽の方針が違うのか。時間帯が違えばここにもアブラコウモリは来そうだが。
マンション群を抜けると小学校中学校がある。新しい建物。南へ抜けて海岸に出る。ここにも船がある。「水産庁」と記されている。(*)

(*)東光丸。水産庁が運用している漁業取締船

豊洲大橋の下をくぐると、途端に木が少なくなる。しかもGoogleマップの航空写真と現状が違っている。最近更地になったようだ。ここから大通り沿いに北上するが、区民センターなど新しい建物が建っている。朝潮運河に到達したら、運河沿いに北東へ進む。
進むとGoogleマップの航空写真にない新しい橋、黎明小橋がある。歩行者専用の橋。(*)

(*)2024年3月完成。

そのすぐ東が黎明橋公園なのだが、真っ暗なので夜は入れないのか?と思ってしまった。もちろん門など無く普通に入れるのだが街灯もないので暗い。入るとすぐにアブラコウモリの超音波を確認。この公園の木はかなり大きい。ずっと前からここにあったのだとわかる。これだけの樹木群ならアブラコウモリがいるのも当然。
今回アブラコウモリを確認できたのはここが最後だった。

次は豊洲市場方面へ向かう。途中の公園にはアブラコウモリはいない。

IMG_0279

写真は晴海大橋からの豊洲の眺め。モニュメント・クレーンが緑色に光っている。

橋を渡り終えるとそこはチームラボ。豊洲市場の近くは外国人の割合が跳ね上がる。
バス停には外国人がずらりと並んでいる(*)。すぐそこがゆりかもめの駅なんだからそっちを使えばいいのに。ちなみに時刻は20時を過ぎたところ。

(*)新豊洲駅前バス停。東京駅行きのバスがある。都05-2。ゆりかもめ経由より確かに安上がりで乗り換え無しで東京駅に行ける。覚えておこう…。複雑な地下鉄網よりもよっぽどわかりやすい。

ここからは北岸を西へ向かう。「ラムセス大王展」をやっている建物の隣にある林はムクドリのねぐらになっている。囲われていて人は入れないので確かに安全安心なねぐら。

IMG_0287

写真は都心方向の眺め。左の橋は豊洲大橋。右は晴海大橋なのだが暗くてわかりにくい。その上にスカイツリーが小さく見えている。

ここから先、豊洲市場の外周は木が少ないし、小さい。植えられてからまだ時間が経っていないため仕方ない。次に来る10年後ぐらいでもまだまだ成長していないだろう。20年30年後を期待したい。
途中の案内板を見て、海岸が「豊洲ぐるり公園」という名前であることを知る。「ぐるり」なんだ。(*)

(*)本当に「ぐるり」だった。

また船があるぞ。同型が2隻。桟橋が豊洲市場に直結していることから何かを搬入する船だと推測できる。まあ、ここにいるということは魚だろうが。(*)

(*)東京都漁業協同組合連合会の第一八幡丸と第五八幡丸。主な積荷は漁業用燃料、鮮魚、生活資材だそうだ。東京湾、伊豆諸島、小笠原諸島の漁協の連合組織とのこと。

豊洲市場の西端にはバーベキュー施設。ドッグランもある。こんなところまでわざわざ来るの?と思ったが駐車場があるようだ。ゆりかもめ駅からも遠く、歩いて来れる場所ではない。歩いて来た宮本隊長を除く。
ぐるりと回って市場の南に出る。市場の搬入口が並んでいるのが見える。夜だがトラックが時々走っている。市場は夜も忙しい。市場の外周の植栽を見て思ったのは、よく手入れされているな、ということ。芝生も植え込みもきれいに整えられている。これだけの面積を管理するのは大変なことだ。10年後も維持できているだろうか。

IMG_0297

有明北橋に近づいた辺りで芝生が丸く変色しているのが見えた。やれやれ、さすがに雑草がもう生えてきたか、と思ったが近づくとそうではない。どうもそこだけが少し盛り上がっているようだ。??これは…ひょっとして…モグラ塚? モグラ塚は土がはっきりと盛り上がるので今目の前にあるものはそれとは違う。だが、大きさといい配置といい、これはどう見てもモグラなんだが…。土といっしょにモグラが運び込まれた可能性はある。誰かに継続して観察をお願いしたい…。

有明北橋を渡る途中には旧防波堤がある。ここならアブラコウモリはいるはず…。だが、いない。前回はいたのに。やはり時間が遅いせいか? ただ今21時直前。出発から3時間経過しているが今回はまだ先は長い。明日も休みなので少々無理をしている。土曜はいつものように仕事だったが、日月火と3連休にしたのだ。これでようやく世間並み。
橋を渡り終えると有明テニスの森駅だが、海岸沿いに西進する。そこは有明アーバンスポーツパーク。まず長い半円筒の直線トラックが見える。100mぐらい? 前後に余裕がないつくりで競技には向かないな。どうも中途半端な印象。(*)

(*)ブリリアランニングスタジアム。90mだそうだ。本当に中途半端。

その隣に何か形容し難いモノ。人が登れるようだが、安全上の問題はないのか?(*)

(*)モンスタージャングル。「巨大なアスレチック遊具」との説明。

その隣はスケートボード。これはオリンピックの会場がそのまま残っているのだな。まだ2人が練習をしていた。
さらに進むとボルダリング施設。屋内にボルダリングの壁が見える。
さらに進むとテニスコート…にしてはネットが大きすぎるな。地面を見ると砂。ああ、ビーチバレーか。隣の学校の施設かと思っていたが違うな。(*)

(*)有明親水海浜公園の管理。ここはアーバンスポーツパークではない。

さらに海岸に沿ってぐるりと回る。西端はユニクロの倉庫。南下してのぞみ橋の下をくぐる。ここで海岸を離れ、清掃工場の大煙突の真下を通過して有明テニスの森公園へ。
また来ました、有明テニスの森公園。時刻は21時30分。コートはすべて真っ暗。今回は南端を歩いて、最後に広場に行く(*)。アブラコウモリはいない…。

(*)前回と記憶が違うので調べてみたら広場にあった大木がなくなっている。その他の木も一部なくなっている。さらにGoogle Earth Proで調べると、大改装の時に切られたようだ。オリンピックの時は仮設コートが建てられていた。これではアブラコウモリが来なくなっても仕方ないかもしれない。

今日の探索はこれで終了。橋を渡って国際展示場駅へ行く。
湿度を見ると87%! ちょっと高すぎる。

日没時刻 17時49分
観察箇所数 6
歩行距離 13.9km
歩行時間 約4時間
気温 30℃→28℃

筆了2025年10月08日

<広告欄>