AirPods Proが超音波騒音対策に有効

2021年1月掲載。

AirPods Proとは

AirPods ProはAppleが2019年に発売したワイヤレスイヤホンです。
これが超音波騒音の対策になるという話です。

AirPods Proはこれを書いている2021年1月現在も人気の高い製品です。強力なノイズキャンセリング機能が評判ですが、「外部音取り込みモード」にも特徴があります。

AirPods Proはカナル型イヤホンです。 つまりイヤホンを耳栓のように装着しますので外部の音を遮断し、音楽をよりクリアーに聴くことができます。 ただし、まわりの音が聴こえないことは欠点にもなります。 街中を歩く時などに自動車や歩行者の接近に気付かなかったり、声をかけられても聞こえなかったり、と場合によっては非常に危険です。

「外部音取り込みモード」はイヤホン内蔵のマイクで周囲の音をとらえ、スピーカーからその音を出力します。 要するに外の音をそのままスルーして聴かせているわけです。 (もちろん自然に聞こえるようにうまく調整されているはずですが。) 音楽に没入するわけにはいかない場合には便利な機能です。
ただ、電車の中のように周囲がうるさい場合には当然ながら音楽はかき消され、役に立ちません。

AirPods Proが超音波をカットする仕組み

さて、この外部音取り込みモードについてある日、私は気付きました。
これ、超音波をカットしてるんじゃないか?、と。

理屈はこういうことです。
マイクもスピーカーも扱える音域には上限下限があります。 高温域の場合、普通は20kHzあたりが限界です。 つまり電気回路的に外部音取り込みモードでは20kHz以上の超音波がカットされることになるはずです。
(Appleが意図的にそう設計したのではなく、パーツのスペックの都合です。)

調査しました

さっそく現地調査してきました。
私はネズミ防除装置(19kHz程度)の音が聞こえます。
そこでネズミ防除装置がある数ヶ所で試してみたところ、確かにあの不快な超音波が聴こえなくなることが確認できました!

やった!

超音波だけ聴こえず、他の音は普通に聴こえます。

19kHzは20kHzよりも下ではないか、なぜ聴こえなくなるのか、という疑問はあるでしょう。
AirPods Proな仕様の上限はおそらく20kHzより低いのだろうと推測されます。また、上限が20kHzだとしても、実際には20kHzぴったりで遮断しているのではなく、上限値付近では急速に性能が落ちるはずです。
おそらくこういった理由のため、ネズミ防除装置の超音波をうまくカットしているようなのです。
(完全にカットできていない可能性も高いのですが、聴こえないレベルまで音量が小さくなっているのでしょう。)

なお、装置の真下直近にいると、イヤホンから「カリ、カリ、カリ、カリ」という音や「ザー」というノイズが聴こえることがあります。 AirPods Proが限界値ぎりぎりの音を何とか処理しようとしているのでしょう。

他社製品でもうまくいくはず

超音波騒音に悩まされている方々にはぜひ試してみてほしいです。

AirPods Pro以外の他社製イヤホンでも同様の機能を持つ製品が発売されています。 それらでもおそらく同様に超音波をカットできるはずです。

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