東京コウモリ探検隊!2015年調査報告書

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執筆:宮本 拓海 (東京コウモリ探検隊!)
2015年12月


■1.前文

東京コウモリ探検隊!の3年目の観察の結果を報告する。

東京コウモリ探検隊!は東京都23区でのアブラコウモリの分布を調べることを主な目的にしている。
あいかわらず参加者数は増えないものの、宮本は順調に観察を継続した。

宮本は今年は杉並区、中野区、新宿区にしぼって(だいたい)全域を歩いてアブラコウモリの生息を調査した。また、自宅で定点観察も行った。今回の報告書はこの2つの観察を主に取り上げる。

※注:文中に「DBN123」のように記されている数字は、データベースで目撃情報に割り振られた通し番号である。この報告書での通し番号は2015年の記録に限ったものである。

※注:気象庁のデータ(気温・風速)は下記ホームページから得ている。 地点は「東京都 東京」で代表している。
気象庁「過去の気象データ検索」 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

※注:本稿に掲載した地図は国土地理院発行の以下の数値地図を複製・使用した。
「数値地図5mメッシュ(標高) 東京都区部」
「数値地図50mメッシュ(標高) 日本II」

●2015年のアブラコウモリ調査参加者(登録順、敬称略)

宮本拓海
草間俊行
石田恭子
戸畑
ウメボシソーダ

■2.調査結果

●調査方法

調査方法の詳細については「東京コウモリ探検隊!2015年調査計画書」をご覧いただきたい。

参加者は個別に観察して、宮本に結果を報告する。観察場所は参加者に任せているが、河川など観察しやすい場所を推奨している。また、できれば複数の地域メッシュでの観察をお願いしている。観察時間は日没時刻前後を推奨している。

●調査件数

今年の参加者数は5名。昨年と同じである。
観察記録の合計は469件。これには定点観察も含まれる。
観察記録が最多の参加者は宮本である(462件)。宮本を除く参加者の観察記録件数は7件である。

定点観察は2ヶ所で行った。定点観察も毎回1件として記録している。宮本が26件、草間が5件である。
宮本の定点観察の詳細は後述する。

●目撃地点の分布

目撃地点をメッシュ地図で表す。メッシュは地域メッシュ(第3次メッシュ、以下「メッシュ」)であり、約1km四方に相当する。

上の地図では生息が確認されたメッシュを塗っている。
生息が確認されたのは80メッシュ(11.4%=全699メッシュに対する割合)である。

探索に行ったがアブラコウモリが確認できなかったメッシュはない。
「未観察」は探索を行っていないメッシュである。

宮本は今年は杉並区、中野区、新宿区を探索し、地図のようにほぼすべてのメッシュでアブラコウモリを確認した。この詳細は後述する。

補足:メッシュ地図について

上記のメッシュ地図のメッシュ数は699である。ただし、東京都23区以外の自治体や海が含まれる「不完全なメッシュ」が227ある。これを0.5メッシュに換算すると、585.5(=699-227/2)メッシュが実質的な面積になる。
なお、「河川敷がわずかに含まれるだけのメッシュ」は除外している。また、「どかまでが海か、河川か」の判断は宮本が行っている。このように微妙な判断が含まれるため、正確なメッシュ数を算出することはできない。

●目撃個体数

目撃個体数の最大は20頭(以上)である(新港南橋、港区、DBN242)。新港南橋は高浜運河にかかる橋である。
10頭以上の目撃は5件のみだった。

●最も早い観察日

2月9日。荒川区での目撃(DBN001)。ただし、これはうっかり冬眠から覚めてしまったコウモリだった。発見場所は建物の外壁(北側)で、そこにへばりついていた。2月6日はやや暖かく(最高気温12.0℃)、その時に冬眠から目覚めてしまったようだ。冬眠場所からちょっと外に出てみたものの、やっぱり寒くて動けなくなってしまったと見られる。その後の12日にアブラコウモリは姿を消したので冬眠場所に戻っていったらしい。

アブラコウモリの飛翔の最も早い観察日は5月2日(杉並区、DBN002)。観察者は宮本。宮本は最も早い観察日を狙って観察しているわけではないので、実際はもっと早い時期から飛翔している。

アブラコウモリの活動の開始の目安となる「最初に最高気温が20℃以上になった日」は3月17日だった。アブラコウモリの飛翔は3月後半から始まっていると予想される。

●最も遅い観察日

10月24日。宮本の定点観察(杉並区、DBN479)。観察者は宮本。やはり最も遅い観察日を狙っているわけではない(むしろ今年は早めに観察を切り上げた)。

アブラコウモリの活動の終了の目安となる「最初に最低気温が10℃未満になった日」は11月1日だった。

●最も早い時刻での観察

日没4分前が最も早い記録だった(板橋区、DBN182)。
日没前の観察は全体でも2件しかない。宮本も早い時刻から観察しているわけではなく、日没後からの観察開始も今年は多かった。

●最も遅い時刻での観察

通常の観察では、日没後213分が最も遅い(外堀公園、新宿区、DBN400)。アブラコウモリは夜の間中、活動しているのでこの記録には意味はない。
宮本の定点観察(詳しくは後述)では、午前4時台に鳴き声が記録されている。

●気温

宮本は「AR816+」というデジタル風速計(温度計兼用)を使用して計測した。この風速計は安価な製品ではあるが、厳密な計測が必要というわけではないのでこれで十分であった。とは言え、精度が不十分であることが予想されたため、実測値の小数第1位を四捨五入してデータベースに記録している。この製品はAmazonで購入できる。

アブラコウモリが観測された最低気温は18℃。4回記録されている(5月5日に1回、6月6日に3回)。
アブラコウモリの活動限界は15℃程度と推測されるので十分に暖かい気温である。

なお、定点観測時は気温は記録していない。

●風

気温と同じく宮本は「AR816+」を使用して計測した。

実測で最も風が強かったのは10月2日、新白鳥橋(神田川、新宿区・文京区)で風速4.5m/sを記録した(DBN426)。

●目撃場所

目撃場所を分類すると、河川261件、公園・グラウンド80件、学校(関連施設含む)21件、道路上19件、池(止水)18件、寺院神社12件、駐車場6件、運河1件、その他22件である。

定点観測は、1ヶ所で複数回観察してもまとめて1件としている。
河川には河川敷など近接する場所も含めている。
池(止水)には外堀、釣り堀が含まれる。
寺院神社の内、神社は5件、寺院は6件、墓地1件である。墓地は新宿区市谷山伏町の「林氏墓地」(国史跡)である。寺院、墓地の場合は敷地外からの観察になる。
その他とは、空き地、民家・建物上空などである。

※注:河川コード(国土交通省河川局が定めたもの)があるものは原則として河川としている。ただし、古石場川親水公園のように止水化されたり、暗渠化、埋め立てされたりした箇所は実態に合わせている。

■3.杉並区、中野区、新宿区での生息調査

●調査の目的

昨年までは主に河川や緑地などアブラコウモリが好みそうな環境を選んで観察を行ってきた。そのため生息分布の地図は調査済みメッシュと未調査メッシュがばらばらに混在することになった。
今年は地域を限定して、含まれるメッシュすべてでアブラコウモリが生息しているかどうかを調査することにした。最初は杉並区を調査し、続けて中野区、新宿区も調査した。

●調査方法

原則としてすべての地域メッシュを調査した。ただし、地域メッシュに含まれるその区の面積が小さい場合(50%程度以下)は調査していないことがある。
地域メッシュ内で1ヶ所でもアブラコウモリが観察されれば「生息あり」とした。そのため、アブラコウモリが確実に生息している河川を優先して調査した。その次に残りの地域メッシュを調査した。河川が無い地域メッシュではアブラコウモリの数が少ないことが予想されるため、前もってGoogleマップで緑地や寺社、公園、学校など生息が予想される場所をチェックし、それらの場所を調査するようにした。
調査中の移動はすべて徒歩である。バットディテクターも使用している。

●調査結果

調査結果は上に示した分布地図の通り、杉並区、中野区、新宿区のほぼ全域でアブラコウモリを確認できた。この結果から、アブラコウモリは都会でも普遍的に生息していることがわかる。
ただし、その分布は均一ではない。どこででも同じように飛翔しているのではなく、多く見られる場所とまったく見られない場所にはっきりと分けられる。分布の特徴は2014年調査報告書の「考察:アブラコウモリはどこにいるか」で書いている通りである。

アブラコウモリが多く見られるのは「川、池」「樹木」である。
この環境以外ではアブラコウモリに遭遇することは非常に難しい。実際、川も緑地もない住宅地の中ではアブラコウモリを見かけることはまずない。ただし、まったく遭遇できないわけではない。下記の定点観察からもわかるように、アブラコウモリは食べ物を探してあちこちに移動している。その移動途中に住宅地上空を通過することはある。

アブラコウモリを探索する時はこれらの特徴を考慮して前もって地図で確認しておけば、かなり確実にアブラコウモリを発見できるだろう。

■4.定点観察

●調査の目的

定点観察は2014年にも行ったが、9月以降しか観察しなかった。春から秋まで通して観察することでアブラコウモリの活動の季節変化を知ることが今年の目的である。

●調査方法

観察場所は昨年と同じく宮本自宅(杉並区高円寺南)である。記録装置の設置場所はアパート2階のベランダである。
バットディテクターにボイスレコーダーを接続し、MP3形式(128kbps)で録音した。 調査の間隔は1週間とし、原則日曜日の夕方から翌朝まで録音した。ただし、仕事の関係(日曜に働くこともある)や降雨のため(降雨が予報されている場合も含む)必ずしも日曜日に調査できたわけではない。日曜日に調査ができなかった場合はその後できるだけ早い日に調査を行うようにした。
録音は日没前に開始した。ただし、仕事がある日は日没前に帰宅することはまず不可能であるため、日没後からの録音になったこともある。 朝は日出後に録音を終了するようにした。

録音したデータはオーディオ編集アプリケーションで確認した。波形を見ればアブラコウモリの鳴き声はだいたい判別できる。それらしい波形を見つけたら、その部分の音を聞いてアブラコウモリかどうかを判別した。

●近隣の自然環境

調査場所は住宅地である。近くに河川、大きな緑地、寺社はない(最も近い緑地(寺院と神社)まで約400m離れている)。
隣接する敷地にカキノキ(柿)1本、サクラ3本(ソメイヨシノ2本、遅咲きの八重桜1本)、その他何本かの樹木があるのでアブラコウモリを誘引する要素はある。が、大量に飛来するほどの樹木量ではない。
駐車場に面していているので飛翔しやすい場所ではある。以前は夏の日没時刻頃に駐車場上空を1頭のアブラコウモリが飛ぶのを何度か見たことがある。ただし、ここ数年は見ていない。

●調査結果

調査結果を表とグラフにまとめた。
(都合上、PDFファイルにしている。)

[表1] アブラコウモリの飛来

全観察での飛来秒数を表にしている。17時〜6時のセルの数字は飛来時間(秒)。1秒以下は切り上げている。
気温や日没・日出時刻も記載した。気温は気象庁ホームページのデータによる。
飛来回数では、無音時間が10秒以内ならば飛来が継続しているとみなしている。

[グラフ1] アブラコウモリの飛来時間
[グラフ2] 時間毎の飛来時間

グラフ1は各観察での合計飛来秒数を表している。
アブラコウモリがよく見られる場所ならば5月から10月は毎日のように活動しているはずであるが、今回の調査では活動量がかなり偏っていることがわかる。
最初は飛来秒数が非常に少なく、7月後半になってようやく増えてきた。ピークは最も暑い8月ではなく9月にあり、それも短期間で終了している。そのピークの時でも総計10分間にも届かない時間だったことから、アブラコウモリには人気のない場所だったことがわかる。このピークの日は、近くのカキノキやサクラの周囲をアブラムシ類などが飛翔していたのかもしれない。そのため滞在が長くなったのだろうと推測できる。10月になると飛来はほとんどなくなった。

グラフ2は時間帯毎での合計飛来秒数を表している。ピークの9月2日だけで全体の1/3以上になるため、この日の分だけは色を変えている。
午前0時を区切りとすると、0時前の飛来が多い。
日没時刻後すぐに飛来していないことから、ねぐらからも離れた場所であろうことが推測できる(ねぐらに近い場所ならば日没時刻前後に飛来する)。

今年の結果だけではまだ意味を十分に読み取れない。来年以降の観察結果の比較、他の場所との比較などを通じてわかることもあるだろう。

●最も早い時刻の飛来

飛来の最も早い時刻は2015年8月23日で、日没8分後(18時30分)。
この他は日没30分以上後の飛来である。

●最も遅い時刻の飛来

最初の飛来が午前0時以降だったのは次の3回。
2015年5月27日、午前0時26分
2015年7月11日、午前0時55分
2015年6月2日、午前1時40分

最後の飛来が午前4時以降だったのは次の3回。
2015年7月27日、午前4時03分
2015年9月12日、午前4時56分
2015年9月28日、午前4時44分

●最長の飛来時間

最長の飛来時間は64秒である(9月2日の最初の飛来)。ただし、途中無音時間がある。

●平均飛来時間

平均飛来時間は7.9秒。
バットディテクターの感知距離(約20m)から考えると10秒以下の飛来は、「通過しただけ」だとみなしていいだろう。11秒以上の飛来回数は26回(全飛来回数は205回)。ほとんどの場合で「通過」だったようだ。

●複数頭での飛来

録音データを耳で聞けば、あるいは波形を見れば飛来数が「1頭」「2頭」「3頭以上」であることが区別できる。今回の調査ではほぼすべてが1頭のみの飛来だった。6月21日と9月11日にそれぞれ1回だけ2頭での飛来があった。

●アブラコウモリ以外の超音波

定点観察ではアブラコウモリ以外の超音波も録音されていた。

・人工音

次の音はだいたい毎回録音されていた。
毎朝3時過ぎに来る新聞配達のオートバイのエンジン音とチェーン音。
アパートの住人の自転車のチェーンの音。
鉄製の門扉を開ける音。レールを転がる金属の車輪の「キュロキュロ」という音が聞こえる。

・セミの鳴き声

バットディテクターを置いた場所はソメイヨシノのすぐ近くだった。そのため夏は必然的にセミの鳴き声が録音されることになった。ミンミンゼミとアブラゼミが特にうるさい。だいたい日没時刻を過ぎると鳴きやみ、日出時刻頃に鳴き始めることが確認できた。今年の観察ではセミとアブラコウモリの活動は重なっていないようだった。

・昆虫の羽音

録音データには時々「ブー」という感じの短い音が録音されていることがあった。最初は電気的なノイズだと思っていたのだが、別の場所でたまたまホタルの羽音をバットディテクターを通して聞く機会があり、それがノイズではないことが判明した。一部の昆虫の羽音は超音波域の音を出しているようだ。

・雨の音

雨の時、あるいは雨が降りそうな時は録音を避けていたが、ある時、録音中に雨が降りだしたことがあった。バットディテクターは軒の下に設置したので雨でずぶ濡れになることはなかったのでそのまま録音を続けた。録音データの波形を見ると、降雨時に瞬間的なノイズが多数記録されていることがわかった。近くにソメイヨシノの葉が茂っており(最も近い葉まで約1m)、その葉に雨粒が当たった音を録音したのだろうと推測された。雨が強くなるほどそのノイズが多くなることも確認できた。つまり、このノイズに注目すれば雨の強弱もわかるのである。これは降雨観測の方法として面白いのではないかと思った。

・風の音

強風が樹木の葉をゆらしてたてるカサカサという音も超音波を含んでいる。ただし、すぐ近くにソメイヨシノの葉があるにもかかわらず風の音はほとんど録音されなかった。
はっきりと録音されたのは、木枯らし1号が吹いた10月24日夜だった(気象庁によると午後11時54分ごろ、最大瞬間風速13.3mの北北西の風)。
葉がすぐ近くにあり、かつかなり強い風が吹かなければ録音されることはないようだ。

■5.他の動物の観察

●サギ類

サギ類は合計27件の目撃があった(11月30日までの集計)。
次に目撃地点のメッシュ地図を示す。この地図ではコサギ、ダイサギ、アオサギ、ゴイサギをまとめて扱っている。

青く塗られたメッシュの数が27よりも少ないのは、同じメッシュで複数の目撃記録があるからである。今年は飯田橋に行く機会が多く、みやこ橋(JR飯田橋駅西口脇)から観察した例が8件あった。
10月2日、JR飯田橋駅の東側の神田川でアブラコウモリを観察した時は、アオサギ、コサギ、ゴイサギ(若鳥)が目撃できた。日没時刻前後のことだったので、この付近にサギのねぐらがあるのかもしれない。

■6.今年も反省会

それでは、今年も反省会です。

●参加者がやっぱり少ない

今年も参加者は増えませんでした。
広報宣伝が足りないということはわかっていますが、そこまでの余裕はないんですよね…。
一方で、コウモリはあまり人気がないということもあるかもしれません。タヌキに比べれば人気の差は明らかです。
また、コウモリが飛んでいることに気付いている人がとても少ないという事情もあります。アブラコウモリを見つけるのはとても簡単なのですが、全然気付かれていませんよね。また、コウモリが発見しやすい日没時刻頃に外にいなければまず発見できない、という理由もあります。働きすぎの日本人には難しいことなのかもしれません。
今はとにかく活動を継続することが重要です。そうすることで知名度も追いついてくることを期待します。

●報告書が遅くなってしまいました

この報告書はもっと早く書き上げるべきだったのですが、年末ぎりぎりになってしまいました。申し訳有りません。
第9回ニコニコ学会βの準備があったため報告書が遅れた…という言い訳でよろしいでしょうか?
ただ、それを除いても時間が十分あるわけではありません。そこがアマチュアのつらいところです。

●定点観察装置の自動化

昨年も書きましたが、定点観察のための装置を1パッケージ化したものがほしいです。
そしてさらに、録音データからアブラコウモリの鳴き声の部分だけを自動的に抽出するようなアプリケーションもほしいです。アブラコウモリの鳴き声はオーディオ編集アプリケーションを使って目(音の波形を見ている)と耳で探していますが、けっこう時間がかかるものなのですよ…。
ハードウェアもソフトウェアも自動化できればかなり楽になるのですがね。そうなれば毎日観察することも可能になります。

●今後の課題

今年は定点観察を本格的にやってみましたが、コウモリが少ない場所だったのは明らかです。
他の場所ではどうなのか、という新たな課題が出てきたのです。川の近くならもっと長時間の飛来が観察できるはずです。また、都心部や湾岸部のようにコウモリが少ないだろう場所でもその活動の様子がわかるようになるでしょう。いろいろな場所で定点観察を実行する意義はあるのです。
ただ、これは1人でやるには手に負えない規模です。やはり多くの参加者が参加してあちこちで観察を行なってほしいです。やってみたいと思われる方はぜひご連絡ください。機材の無償提供はできませんが、ノウハウは伝授できます。

●超音波騒音

アブラコウモリを観察する時はバットディテクターを使っているのですが、その観察の過程でコウモリ以外の超音波源がいろいろあることがわかってきました。その中には「超音波騒音」とも言うべきものもありました。
超音波やいろいろな超音波源、超音波騒音については「東京コウモリ探検隊!」ホームページ内に情報をまとめて掲載しています。

http://tokyobat.jp/ultrasonic.htm
超音波と超音波騒音

超音波は名前は有名ですが、その性質や実態についてはほとんど知られていません。中でも「超音波騒音」はもっと注目すべきことと思います。関心のある方はぜひお読みください。

■7.来年の予定

2016年も調査方法は基本的には変更はありません。
計画書は1月中に公開予定ですが、隊員の募集は1月1日午前0時から開始します(メールでのみ受付)。隊員資格は1年限りですので、これまで隊員だった方もあらためて申し込んでください。
申し込みメールにはお名前(ペンネームなど可、「匿名希望」も可)をお書きください。
なお、目撃情報を報告すれば自動的に隊員に登録されますので、あわてて申し込む必要はありません。

今年までの調査結果からは、23区のほぼ全域にアブラコウモリは生息していると言えそうです。ただ、すべてのメッシュを調べたわけではありません。全メッシュで観察をすることが東京コウモリ探検隊!の大目標です。これは隊員の皆様の頑張りにかかっています。

来年もよろしくお願いします。

●宮本の来年の予定

宮本は探索を継続しますが頻度はさらに減らす予定です。今年同様に地域を限定して観察する予定です。さて、今度はどの区に行きましょうか…中央区は必ず調べるつもりです。
定点観察も今年同様に週1回程度で実行してみようと思います。

■8.謝辞

隊員の皆様、今年も調査に参加していただいき、ありがとうございました。今後も末長くおつきあいお願いします。

ホームページをお読みの皆様、来年はあなたもぜひ参加してみてください。お待ちしています。


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