【続報】東京都心部(港区・新港南橋)で冬も活動するアブラコウモリ群の定点観察(2018-2019年)

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執筆:宮本 拓海 (東京コウモリ探検隊!)
2019年12月


■1.前文

この報告書は2018年4月に公開した「東京都心部(港区・新港南橋)で冬も活動するアブラコウモリ群の定点観察(2017-2018年)」の続きである。

主要な考察は既に前報告書「東京都心部(港区・新港南橋)で冬も活動するアブラコウモリ群の定点観察(2017-2018年)」に書いてあるので、未読の方はまずそちらをお読みいただきたい。

※注:アブラコウモリなど小型コウモリ類が冬眠期間中に中途覚醒するのは普通のことである。

※注:「冬も活動する」というと「どんなに寒い日でもアブラコウモリが多数飛んでいる」ように想像されるかもしれないが、実際には本当に寒い日は活動しないし、活動する日でも1頭が短時間活動するだけのこともある。それでも普通なら冬眠期間のはずの時期であり、珍しい現象であるのは間違いない。

※注:「冬も活動する」というと「地球温暖化」や「ヒートアイランド現象」と結び付けられがちだが、この場合はまったく関係はない。

※注:気象庁のデータは下記ホームページから得ている。 地点は「東京都 東京」を使用している。
気象庁「過去の気象データ検索」 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

■2. 概要

・この報告書では前報告書に続く2018年4月から2019年4月までのアブラコウモリの観察結果を報告する。

・1回の観察では最大で64頭超のアブラコウモリを確認できた。これは夏ではなく、2019年4月の観察時のことである。出現数のピークは夏にもある。

・冬季は気温6℃でアブラコウモリの活動を確認できた。

・東京都23区内の下水処理施設に行き、アブラコウモリを観察した(敷地外からの観察)。

■3.観察の経過

観察を開始した2017年10月からのデータを示す。

日付 時刻 頭数 気温(実測) 気温(気象庁) 水温
10/18 18時20分 3+ 14.1
10/19 18時20分 0 11.5 小雨
10/23 17時05分 3+ 18.4 台風21号通過後
10/25 18時13分 2 14 13.0 降雨
10/26 18時18分 20+ 18 14.5
10/27 17時20分 20+ 21 17.7
10/30 18時16分 0 15 13.0 台風22号通過後。木枯らし1号
11/2 16時40分 32+ 21 18.7
11/6 18時25分 30+ 21 15.8
11/7 18時12分 30+ 21 17.8
11/9 18時22分 0 16 14.0
11/10 16時34分 10+ 18 15.8
11/13 16時48分 10+ 18 15.1
11/16 18時16分 3+ 15 12.0
11/17 16時56分 3+ 15 11.6
11/20 18時27分 2+ 13 6.7
11/22 17時16分 1 13 9.7 一時小雨
11/24 18時45分 1 15 8.7
11/25 16時56分 3+ 17 10.1
11/28 16時55分 7+ 17 13.6
11/29 17時38分 13+ 18 16.2
11/30 18時18分 2 13 9.7 直前まで小雨(傘は不要)
12/2 16時39分 0 16 7.5 22 2時間待ったが出現せず
12/6 17時45分 0 13 6.6 22
12/7 17時14分 1 13 6.7 21 観察開始から2分後にいなくなる
12/8 18時24分 0 11 7.5 21 降雨
12/10 17時33分 3+ 14 11.7 21
12/11 16時54分 3+ 16 13.3 21
12/12 18時25分 0 12 8.1 20
12/15 17時12分 0 12 5.0 21
12/16 16時46分 4+ 16 10.6 20
12/18 17時03分 1 12 5.1 20 観察開始から5分後にいなくなる
12/19 16時48分 1 15 10.4 20 1時間の観察中に2回出現。いずれも3分程度以下の出現。
12/20 18時13分 0 11 6.6 20
12/21 16時36分 0 13 8.7 20
12/22 18時42分 1 13 6.2 20 30分間の観察中に1回出現。2分程度の出現
12/25 18時32分 0 10 8.6 18 午前0時〜午前6時に降雨
1/9 18時28分 2 12 9.0 18 前日夕〜当日朝に降雨。1月の最高気温(16.0℃)
1/12 18時20分 0 12 2.6 19
1/18 17時09分 2 16 10.4 17 前日夕〜夜に降雨。1月の2番目の高気温(13.7℃)
1/19 17時42分 0 11 9.9 19
1/23 18時20分 0 13 6.3 18 前日昼前〜深夜に大雪。東京で23cmの積雪
1/24 18時25分 0 7 1.6 16 東京の最低気温-1.8℃、最高気温7.3℃。
1/26 18時37分 0 4 0.5 18 東京の最低気温-3.1℃、最高気温5.1℃。前日の最低気温は-4.0℃で寒さの底。
1/29 17時34分 1 14 6.1 19 1時間の観察中に3回出現。いずれも1分程度以下の出現。2回目3回目の出現時の気温は11℃。東京の最低気温-1.9℃。
1/31 18時32分 1 12 6.0 18 30分間の観察中に3回出現。いずれも2分程度以下の出現。東京の最低気温-1.0℃。
2/1 18時30分 0 6 2.5 19 小雨。この後、雪になり翌日昼まで降り続く。東京で1cmの積雪
2/3 17時46分 1 10 4.4 17 1時間の観察中に3回出現。いずれも2分程度以下の出現。
2/5 17時33分 1 10 6.5 19 1時間の観察中に1回出現。2分程度の出現。
2/7 18時02分 1 12 3.9 19 1時間の観察中に1回出現。1分以内の出現。東京の最低気温-1.8℃(2月の最低気温)。
2/9 18時41分 1 10 5.2 19 30分間の観察中に1回出現。2分以下の出現。東京の最低気温-1.4℃。
2/13 17時13分 0 10 6.8 19 東京の最低気温-1.2℃。
2/16 18時18分 0 11 7.1 19
2/17 17時18分 0 8 6.4 19 風が強い。東京の最高気温は12.3℃。翌18日は2月の最低気温(-1.8℃)
2/20 18時44分 1 12 8.5 19 30分間の観察中に1回出現。1分程度の出現。
2/21 18時15分 0 11 6.6 19 深夜から23日午前まで弱い雨が断続的に降る。
2/23 17時29分 0 13 5.3 19
2/27 19時03分 2 14 8.9 17
2/28 18時39分 3+ 14 10.7 20 東京の最高気温は14.7℃。2月の3番目の最高気温。
3/1 17時51分 8+ 18 17.1 15 明け方に雨。東京の最高気温は20.3℃。「春一番」だったが、風は弱い。
3/5 17時56分 0 19 18.0 20 雨。風雨が最も強い時間帯に観察。
3/7 18時51分 0 9 5.7 20
3/13 18時37分 8+ 18 14.3 20
3/16 18時28分 0 13 8.8 21 雨。
3/19 18時17分 24+ 18 15.1 21
3/23 18時13分 5+ 15 12.9 18 21日は降雨、一時降雪の寒い日だった。
3/28 18時34分 19+ 20 18.3 22 東京の最高気温は22.9℃。
3/30 18時23分 3 14 12.1 22
4/4 18時16分 35+ 25 22.6 23
4/6 18時21分 9+ 21 19.1 23 観察時間の前後に降雨。強風。
4/12 18時12分 40+ 22 18.7 23
4/18 18時20分 13+ 19 14.7 20 昼まで雨。
4/20 18時38分 38+ 21 19.1 -
4/25 18時24分 50+ 24 19.4 22 昼まで雨。
4/27 18時28分 48+ 23 18.2 24
5/2 18時25分 48+ 23 19.2 24 小雨。
5/9 18時38分 1 16 13.6 18 昼まで降雨。東京の最高気温は14.3℃という異常低温。前日の最高気温は14.6℃、翌日は15.8℃。
5/11 18時25分 40+ 23 18.3 23
5/15 18時26分 48+ 26 23.5 23
5/23 18時58分 37+ 21 18.1 25 昼から小雨。観察時は傘はいらない程度の雨量。
5/30 18時44分 33+ 22 18.4 26 午後から降雨。観察時間帯に雨が弱まる。
6/6 19時07分 42+ 20 18.8 27 梅雨入り。1日中、降雨。雨の中でも飛んでいる。
6/12 18時48分 29+ 22 19.9 24
6/15 18時45分 15+ 18 16.4 26 昼前から降雨。観察時間帯は雨はやんでいた。低温。東京の最高気温は20.0℃(翌日は18.4℃)。
6/22 19時06分 34+ 25 23.7 26
6/26 19時08分 27+ 27 25.8 27
6/29 19時06分 22+ 29 27.6 28 風が強い。関東甲信越で観測史上最も早い梅雨明け。
7/4 18時56分 13+ 28 27.4 29 風が強い。
7/10 19時06分 29+ 29 27.6 28
7/18 18時45分 17+ 31 30.8 30 7/13〜24は東京の最高気温が33℃以上。
7/20 18時47分 40+ 30 29.4 30
7/25 18時39分 26+ 29 28.7 31
7/27 18時42分 43+ 26 25.1 30 台風12号接近で涼しい。
8/3 18時50分 43+ 31 29.6 30
8/7 18時47分 32+ 26 24.2 30 台風13号接近で涼しい。観察時は小雨。
8/13 18時53分 29+ 28 25.2 29 昼間に一時強い雨。
8/20 18時26分 31+ 27 25.5 29
8/27 18時17分 58+ 29 28.6 30 観察後、20時ごろに激しい雷雨。
8/31 18時25分 33+ 28 26.5 30
9/3 18時24分 18+ 27 23.6 29 東京の最高気温は26.1℃。午前に降雨。
9/7 18時26分 20+ 29 27.9 29
9/14 18時29分 12+ 25 21.4 28 東京の最高気温は24.9℃。午前中は雨。深夜から再び雨。
9/20 18時15分 9+ 20 18.1 27 東京の最高気温は24.0℃。昼前から降雨。観察時間帯は小雨。
9/21 18時53分 10+ 20 18.8 24 東京の最高気温は19.0℃。前日からの雨が続く。観察時間帯は小雨。
9/27 18時16分 5+ 20 16.5 23 東京の最高気温は17.5℃。最低気温は夏以降初めて15℃以下となる。前日からの雨が続く。昼過ぎまで小雨。
9/28 18時45分 27+ 24 21.6 25
10/1 17時42分 28+ 27 25.7 24 明け方に台風24号が最接近。東京の最高気温は32.3℃。
10/4 18時18分 23+ 23 20.6 26 昼から夜にかけて小雨。観察時間帯はかすかに雨。
10/10 18時15分 18+ 25 24.0 27
10/12 18時26分 16+ 22 19.9 27
10/17 18時20分 11+ 20 18.6 26
10/19 18時47分 3+ 19 17.0 26 日中から小雨が降ったりやんだり。
10/26 18時25分 18+ 22 19.6 26
10/30 18時25分 16+ 22 16.4 25
11/2 17時10分 4+ 19 14.1 25
11/9 18時15分 3 19 16.6 25
11/16 18時23分 6+ 19 14.1 25
11/21 18時22分 3+ 18 12.5 24
11/28 17時18分 10+ 19 15.8 24 2018年は東京では木枯らし1号はなかった。
12/5 18時24分 5+ 19 16.5 24 前日12/4の東京の最高気温は23.4℃。
12/7 19時03分 2 18 13.1 17 前日12/6は主に午前中に雨。
12/11 17時02分 0 7 5.7 22 午後から雨。観察時間帯はやんでいた。
12/12 18時24分 0 13 10.4 16 午前中まで雨。
12/19 17時22分 1 14 11.3 21
12/21 18時27分 1 14 9.9 21 1時間の観察中に1回出現。1分以内の出現。
12/26 18時35分 1 14 10.2 21
12/29 16時32分 0 7 6.1 20
1/8 19時05分 1 11 5.2 19 1時間の観察中に2回出現。いずれも1分程度の出現。
1/9 18時58分 1 6 4.2 19 1時間の観察中に1回出現(出現気温の最低)。1分以内の出現。翌1/10の東京の最低気温は-1.2℃(この冬の最低気温)。
1/11 19時28分 1 9 7.5 20 1時間の観察中に3回出現(約4分間に断続的に3回、いずれも1分程度以内の出現)。東京の最低気温は-0.2℃。翌1/12は東京で初雪。
1/14 17時25分 1 10 6.5 20 日没時刻から1時間の観察中に1回出現。約7分間の出現。
1/16 18時30分 0 14 7.6 19
1/18 18時35分 0 10 6.2 19
1/21 17時54分 1 10 5.9 20 1時間の観察中に1回出現。約3分間の出現。翌1/22の東京の最低気温は-0.2℃。
1/25 18時42分 0 12 6.2 19
1/29 18時23分 0 9 5.9 20
1/31 16時51分 0 12 9.7 19 観察時間帯は小雨。夜、東京では久しぶりのまとまった雨。雪にはならなかった。
2/4 17時52分 3+ 13 11.4 19 東京の最高気温は19.4℃。
2/6 18時47分 0 11 5.7 19
2/8 18時33分 0 8 5.3 19 翌2/9は東京の最高気温3.5℃、最低気温-0.5℃、積雪0cm。2/10の東京の最低気温は-1.2℃(この冬の最低気温)。
2/12 18時53分 1 12 8.2 20 1時間の観察中に4回出現。それぞれ約1分間、約10分間、約7分間、1分以内の出現。
2/15 18時37分 0 8 4.5 19 昼に短時間の降雪。
2/19 18時02分 2 13 11.6 19 夕方から小雨。観察時間帯はほとんど降っていなかった。
2/21 18時23分 1 13 11.4 20 前日の東京の最高気温は19.5℃。
2/22 18時33分 2 14 10.9 20
2/25 18時51分 8+ 16 12.6 21
2/27 17時52分 1 13 8.8 21
2/28 18時55分 0 10 7.5 20 朝から雨。観察時間帯は小雨
3/1 18時00分 3 13 8.0 18
3/4 18時59分 1 8 6.7 15 前日午前から雨が続く。観察時間帯は微雨。
3/6 18時44分 9+ 16 12.4 20
3/8 18時39分 0 10 8.0 18 前日は雨。翌日は春一番。
3/13 18時40分 1 15 12.2 20
3/15 18時31分 4+ 15 11.6 21
3/18 18時37分 8+ 14 11.6 21
3/22 18時23分 6+ 17 14.3 21
3/25 18時09分 9+ 17 12.8 22
3/29 19時03分 1 11 7.7 22
4/1 18時22分 2 10 8.4 22
4/2 18時44分 1 9 8.2 21 午後、一時雨。47分間の観察中に1回出現。1分以内の出現。
4/3 18時33分 2 12 9.6 21
4/5 18時24分 18+ 19 18.1 21
4/8 18時53分 1 11 7.5 21 雨。30分間の観察中に1回出現。約2分間の出現。
4/9 18時30分 0 15 11.8 20
4/10 18時25分 0 7 4.1 19 東京の12時の気温が5.3℃という低温。早朝から降雨。
4/12 19時05分 1 12 10.0 21
4/15 19時02分 7+ 18 16.0 22
4/18 18時23分 47+ 19 17.5 23
4/19 18時25分 64+ 20 19.4 23
4/23 18時31分 55+ 21 19.3 24
4/24 18時23分 40+ 20 19.3 24 昼から小雨。
4/26 18時21分 6+ 13 10.9 24 午前中、小雨。東京の日中の気温は10〜12℃。

※注:
 ・時刻=頭数0の場合は現場到着時刻。
 ・頭数=「+」は「以上」を表す。暗い状況では目視で頭数を正確に数えることは不可能である。頭数が1頭または2頭の場合はバットディテクターの音で確実に聞き分けられる。
 ・気温(実測)=2018年3月までは風速気温計(GM816)で計測。それ以降はエンペックスTD-8286で計測
 ・気温(気象庁)=気象庁発表の10分ごとの値。計測場所は東京(北の丸公園)。
 ・水温=水温計(テトラ デジタル水温計 BD-1)で水面の温度を計測。

出現数のグラフを別途作成した(PDFファイル)。A3サイズで作成しているので印刷時は要注意。

次に、2018年4月以降の気象とアブラコウモリの出現数について述べていく。

・2018年4月

4月25日に出現数50頭以上となり、いきなり活動のピークが来た。ユスリカの活動量と関係があるのかもしれない。

なお、新港南橋で目視である程度正確にdb数えられるのは50頭ぐらいまでで、それ以上になると正確にはわからない。50頭を超えている日はさらに何十頭かがいた可能性もある。

・5月

5月8日〜10日は一転して異常低温だった。気温を考えれば5月9日の出現数が1であるのも当然である。

5月15日にiPhone 8 Plusで撮影した動画をYouTubeに掲載している。

新港南橋のアブラコウモリ(2018年5月15日)

新港南橋の北側で撮影している。この日は全体で48頭以上を確認している。
この時期は夏至が近いため、日没時はやや北側に太陽がある。そのため新港南橋の北側が明るくなり、撮影しやすい状態になる。
橋の南側は、すぐ西にビルが建っているため日没時はいつも暗い。橋の下も暗いので撮影には向かない。

・6月

梅雨入りは6月6日だった。

6月29日は関東甲信越で観測史上最も早い梅雨明けとなった。

・7月〜8月

7月は暑い日が続いた。特に7月13日〜24日は東京の最高気温が毎日33℃以上だった。7月23日は最高気温が39.0℃となり、これが2018年の最高気温となった(この日は埼玉県熊谷市で41.1℃を記録。日本歴代最高記録になった)。
その後、台風の接近などで涼しい日があったが、夏らしい暑い日が続いた。

アブラコウモリも7月後半から8月は出現数も高い水準になっている。ただ、気温と出現数が必ずしも単純な正の相関関係ではないことに注意してほしい。気温が最も重要な条件であるのは間違いないが、それだけでは説明できない。
8月27日に出現数は2018年では最多の58頭超となった。

初夏から夏にかけて新港南橋ではカルガモ親子を見ることができる。
都会でカルガモが繁殖するのは珍しくないが、巣は田町方面にあるようで、かなりの距離を泳いできていることになる。わざわざ新港南橋まで来るのには理由がある。それは食べ物があるからであり、その食べ物とはユスリカである。
カルガモの行動を見ていると、水面にくちばしをつける様子がよく見られることから、流されてきたユスリカ幼虫を食べているらしいことがわかる。

7月20日もカルガモ親子が来ていたが、この時、奇妙な行動に気付いた。カルガモたちが壁面の何かを食べているだった。何を食べているかは目視確認できないが、ユスリカ成虫であるのは間違いない。ユスリカ成虫は夏場はいつでも遊歩道の手すりなどにも多数とまっているのが確認できる。
この時の動画もYouTubeにも掲載している。

新港南橋でユスリカを食べるカルガモ幼鳥(2018年7月20日)

・9月〜10月

9月は暑い日をはさみながらも急速に気温が下がっていった。アブラコウモリの出現数も急に減った。
気温が高い日は出現数が多くなる傾向がわかる。

・11月〜2019年3月

2018年末から2019年の冬は前年に比べるとあまり寒くなかったと言える。
2018年12月〜2019年2月の間に最低気温が0℃未満だった日は8日あった。前年の同期間では22日もあったので、前年がかなり寒かったと言える。

1月9日、気温6℃でアブラコウモリの活動が観察された。これが全期間を通じての活動最低気温である。

新港南橋では冬に水面に霧が見られることがある。霧といっても水上に薄く(数十cmにもならない厚さ)漂っているだけで、船の航行には支障がない程度である。
観察メモによれば2018年2月1日と2019年2月28日に霧が見られた。いずれも小雨であり、湿度は100%かそれに近かった。暖かい水温と高い湿度が霧を発生させているようだ。

・4月 観察期間の延長

当初の予定では定点観察は2019年3月に終わるつもりだった。だが、気になることがあったためもう少し延長することにした。ヒナコウモリが来訪するかもしれないと期待したためだった。
前回の報告の通り、2018年3月28日、コウモリの超音波が聞こえるという不思議な体験をした。超音波が聞こえたのはその時だけで、聞こえた理由ははっきりしなかったが、あれはおそらくヒナコウモリだったのだろうという結論になった。

2019年春にもまたヒナコウモリが来訪するかもしれないと思い、定点観察の終了を延期したのだが、残念ながら超音波が聞こえることはなかった。2019年春はヒナコウモリが来なかったのか、それとも私の観察タイミングと合わなかったのだろうか。
あの超音波はもう一度聞いてみたかった。いつかまたどこかで遭遇できるだろうと思いたい。

4月19日、出現数は全観察期間で最多の64頭超になった。計数には誤差が当然あるのだが、最後に最大になるとは思わなかった。
冬眠終了後の早い時期に出現のピークがくる理由は追求してみたい謎である。

こうして、平成時代の最後に合わせるように新港南橋での観察も終了した。

●参考:2018年の全国の自然災害

1月22日夜、首都圏で大雪。東京で20cm超の積雪。
2月5日〜8日、福井で記録的豪雪。国道8号で約1500台の車が立ち往生。
6月18日、大阪北部地震。ブロック塀が倒壊して児童が死亡する被害があった。
7月3日〜8日、西日本豪雨(平成30年7月豪雨)。台風7号、梅雨前線の影響による。倉敷市真備町で広範囲の冠水があった。
7月28日〜、台風12号が東から西へ逆走。
9月4日、台風21号。関西国際空港が冠水。連絡橋にタンカーが衝突し、空港が孤立状態に。
9月6日、北海道胆振東部地震。北海道全域が停電した。
9月30日、台風24号。関東などでは塩害が発生した。JR東日本は首都圏全線で初めて計画運休を実施した。

■4.水温

水温は5月23日に25℃に達した。25℃というのは温水プールや熱帯魚水槽の水温である。
7月25日には最高の31℃になった。ただし、この時期の東京湾の水温(水深0m)は29℃前後なので[文献1]、新港南橋が特別に高温ということではない。冬の方が水温差が目立っている。
11月21日以降は25℃を下回った。

[文献1] 東京湾環境保全調査(第三管区海上保安本部)
2019年8月の観測データ

全期間を通しての最低水温は15℃(2018年3月1日、2019年3月4日)。いずれも雨の後である。
雨の影響がなければ18〜19℃ぐらいが下限になるようだ。

■5.蚊柱

2018年6月22日、南の消波ブロックに蚊柱を発見した。大きなものではなく、高さ2mぐらいだろうか。はっきりと目視確認できるほどではなく、実際はもっと大きかったかもしれない。暗い時間帯だと見逃していたかもしれない。
この後、8月まで4回、同じ場所で蚊柱を確認している。

■6.ボラ

新港南橋のボラの大群については前回も書いた通りだが、春ごろからはボラの姿が見えなくなってしまった。
釣り人によると、ボラは深く潜っていて、いなくなったわけではないとのことだった。表層の水温が高いため、低温の水底近くに移動したのだろうか。
冬になる前にはまたボラの大群が見られるようになった。

2018年8月27日(月)、現場到着時に遊歩道の橋の上にボラ1頭が横たわっていた。どうやら飛び跳ねたボラがまた欄干の隙間をすり抜けてしまったらしい。
私は毎日通ったたわけではないが、こういうことは年に何回かは発生しているようだ。

■7.水鳥

新港南橋には秋から冬にかけて次のような水鳥が集まってくる。

カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、(橋から少し離れたところに)コガモ
カワウ
オオバン(最大で21頭、2018年12月29日)
ユリカモメ(最大で150頭以上、2019年2月4日)
アオサギ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギ

サギ類、カワウはボラを狙っている。成長したボラは飲み込めないので、小さめの個体を狙っているようだった。
サギ類は消波ブロックの上か、橋脚のでっぱりの上にいる。消波ブロックにいるサギ類は、近くで人間が見ていると飛び去ってしまうので注意が必要である。散歩やランニングの人が通過するぐらいなら逃げない。
その他の鳥は流出してくるユスリカ幼虫を食べに来ているようだ。つまりユスリカは冬でも水再生センター内で繁殖しているらしい。

鳥たちは水温が高いので集まってきているのかもしれないが、行動の様子を見ているとやはり何かを食べているのも確かである。

ユリカモメは日没時刻前後に北に飛び去ってしまう。

■8.電撃殺虫器の消灯時刻の変更

新港南橋には電撃殺虫器があることは前の報告書でも書いた。新港南橋の西端、南側の排水口の上には2台の電撃殺虫器が設置されている。多量のユスリカ成虫が飛翔するために設置されているのは明らかである。

この電撃殺虫器は昼間だけ稼働し、夜間は消灯している。だが、私の観察時間中に電撃殺虫器が稼働していることはあまりなかったため消灯時刻はしばらくわからなかった。正確にわかったのは2017年12月11日(月)のことで、17時36分だった。妙に中途半端な時刻だな、と思ったのだが、後述のように時刻補正をしないためタイマーの時刻が少しずつずれていった結果のようだった。おそらく当初は17時30分消灯にセットされていたのだろう。
消灯時刻は固定されており、日没時刻に合わせて変動するような仕掛けではない。夏至の頃の日没時刻は19時ごろであるため、消灯はかなり早いと言える。また、ユスリカは夜間でも活動している(だからアブラコウモリも集まってくる)にもかかわらず24時間稼働させていない理由はわからない。

2018年9月27日、その電撃殺虫器が18時を過ぎても稼働していた。その前の観察日9月21日以降に消灯時刻の設定が変更されたらしい。
消灯時刻はしばらくわからなかったが、2018年12月26日に19時00分消灯を確認できた。ただし、2018年12月7日時点では19時00分を過ぎても稼働していたため、この後に消灯時刻が再設定されたようだ。

消灯時刻は少しづつ遅くなり、最後の観察日2019年4月26日には19時01分になっていた。タイマーの時刻が少しづつずれていくのはよくあることである。この電撃殺虫器には時刻合わせをする仕組みまでは搭載されていないことがわかる。

■9.電撃殺虫器はユスリカ・センサー

電撃殺虫器のことをわざわざ取り上げているのは、これがユスリカの活動量を知るセンサーになるからである。
電撃殺虫器は昆虫が好む光(主に紫外線。肉眼では青く見える)で昆虫を引き寄せ、高電圧で殺すという仕組みになっている。稼働時にユスリカが接触すると「バチッ」と反応する音がする。
2018年秋以降は消灯時刻が変更されたため、観察時間帯と電撃殺虫器の稼働が重なることになった。そのため電撃殺虫器とユスリカとアブラコウモリの関係もわかるようになった。
ユスリカが多ければ反応も多くなり、少なくなれば反応も減る。ユスリカが十分に多ければ1分間に1回以上の反応がある。
当然のことながら、冬の寒い時期は電撃殺虫器の反応が30分間で0回のこともあった。ただし冬でもまれに反応があることもあり、ごくわずかユスリカの活動があるようだった。反応が0回の時にアブラコウモリの活動が見られることもあった。冬でも水再生センターからユスリカ成虫が流出しているということかもしれない。

電撃殺虫器には小さな屋根があり、また、上方に樹木の枝が覆いかぶさっているため、雨に反応することはないようだった。

■10.他の下水処理施設でのアブラコウモリ

東京都23区には以下のように13ヶ所の下水道処理施設がある。新港南橋=芝浦水再生センター以外でも同じように多量のアブラコウモリが飛翔する現象が見られるかもしれないと考え、2018〜2019年は可能な限りこれら施設に行ってみることにした(それ以前に行った施設もある)。施設内に入ることはできないため、敷地外からの観察である。

芝浦水再生センター (港区港南1-2-28) ※新港南橋のユスリカの発生源
三河島水再生センター (荒川区荒川8-25-1)
中川水再生センター (足立区中川5-1-1)
みやぎ水再生センター (足立区宮城2-1-14)
砂町水再生センター (江東区新砂3-9-1)
有明水再生センター (江東区有明2-3-5)
小菅水再生センター (葛飾区小菅1-2-1)
葛西水再生センター (江戸川区臨海町1-1-1)
落合水再生センター (新宿区上落合1-2-40)
中野水再生センター (中野区新井3-37-4)
新河岸水再生センター (板橋区新河岸3-1-1)
浮間水再生センター (北区浮間4-27-1)
森ヶ崎水再生センター (大田区大森南5-2-25)

まずは実際に足を運んだ場所から結果を報告する。

●中野水再生センター

2018年7月7日(土)に観察した。
平和の森公園の地下の一部にも処理施設がある。処理水は妙正寺川に排出されている。
この日は16頭を確認できた。妙正寺川は最上流を除きどこででもアブラコウモリは見られるが、排水口付近はやや多く見られる。平和の森公園の樹木の影響かと以前は考えていたが、処理水の影響と考えた方がいいようだ。
ここには以前にも行っており、2013年9月2日は10頭以上、2015年8月18日は2頭を確認している。タイミングによってはあまり見られないことがあるようだ。

●新河岸水再生センター、浮間水再生センター

新河岸水再生センターと浮間水再生センターはいずれも新河岸川沿いに立地している。
2018年5月5日(土)に観察した。
特にアブラコウモリが多い場所はなかった。

●みやぎ水再生センター

2018年5月19日(土)に観察した。
特にアブラコウモリが多い場所はなかった。
排水口は施設外からは近づくことができない場所にある。

●三河島水再生センター

2018年5月19日(土)に観察した。
特にアブラコウモリが多い場所はなかった。

●中川水再生センター

2018年6月2日(土)に観察した。
特にアブラコウモリが多い場所はなかった。

●葛西水再生センター

2019年7月20日(土)に観察した。
特にアブラコウモリが多い場所はなかった。
荒川に面している排水口に近づくことができるが、排水されているようには見えなかった。

●小菅水再生センター

2019年7月25日(木)に観察した。
特にアブラコウモリが多い場所はなかった。
荒川への排水口は排水されているようには見えなかった。綾瀬川にも排水口があるはずだが確認できなかった。

●芝浦水再生センター

2018年8月3日(金)に観察した。
水再生センターは事前に申し込まなければ内部を見学することができない。だが、イベントが開催される時は一部が開放されることがある。
この日は新港南橋での観察の後、たまたま芝浦水再生センターの方へ行くと、何やらイベントをやっていて中に入ることができたのだった。(いつもは新港南橋から南下して御楯橋で車道に登る。)
開催されていたのは「芝浦水再生センター・サマーキャンドル 水音とともに」というイベントだった。当初は前週7月27日(金)に開催予定だったが、台風接近で延期になったとのことだった。
この時は敷地の南端だけに立ち入ることができた。第二沈殿池に接する箇所である(地下には塩素接触槽がある。そこがユスリカの発生源とされる)。
イベントにまったく関心の無い私はバットディテクターに耳を澄ましながら空を観察した。超音波は多数聞こえるが、アブラコウモリの姿はほとんど確認できなかった。頭上を2頭が飛ぶのを確認できただけである。新港南橋に比べるとかなり少ない(この日は新港南橋で43頭以上を確認している)。
1回だけの観察で結論することは出来ないが、ユスリカが発生しているのは地下の槽だけで、地上ではあまり発生していないらしかった。

ここからは2017年以前に観察した場所である。

●落合水再生センター

落合水再生センターは神田川沿いにある施設である。排水口は妙正寺川の辰巳橋(新宿区下落合1-10)にあるが、すぐに暗渠に入ってしまう。
辰巳橋では2013年8月28日(水)に20頭以上(宮本の観察ではない)、2013年9月14日(土)に1頭、2015年9月5日(土)に1頭を観察している。タイミングによっては多量に飛翔するようだ。

落合水再生センターは渋谷川、目黒川、呑川にも再生水を排出している。
それぞれ開渠が開始される地点で観察はしている。

渋谷川では0頭を確認(2014年6月18日(水))。
200mほど下ったところで1頭確認している(東急東横線の渋谷駅(高架)が終了したのが2013年3月なので付近の工事が始まっていた頃か)。

目黒川では2頭を確認(2014年6月10日(火))。特にアブラコウモリが多いわけではない。
目黒川では川沿いに電撃殺虫器が設置されている。ストリートビューでも確認できる。時期によっては大発生しているのかもしれない。

呑川では1頭以上を確認(2014年6月14日(土))。暗くて頭数はわからなかったがかなり多いようだった。ここは特に注目すべき地点である。

落合水再生センターについては次のようなページ、報告がある。

[文献2] 「水質浄化に向けた主な取り組み」(大田区ホームページ)

呑川ではユスリカの多量発生も知られており、処理水が何らかの原因になっているらしい。このホームページによると、窒素分の多い処理水のために藻が繁茂し、そこがユスリカの発生源になっているという。

[文献3] 「高度処理水導入前後の目黒川の大型底生動物群集」(大野正彦、1996)

1995年に落合水再生センターからの高度処理水が導入される前後の生物を調べた研究。導入以前もユスリカが多かったと記されている。

[文献4] 「様々な下水処理水放流口の底生動物群集」(大野正彦、2002)

10地点の放流口の生物を調査した研究。23区の水再生センター関係では、渋谷川放流口、目黒川放流口、中野処理場(中野水再生センター)放流口が該当する。これらではユスリカが多いことが示されている。
北沢川緑道水路放流口3地点も落合水再生センターからの処理水とのことである。

渋谷川、目黒川、呑川はアブラコウモリの定点観察に向いている場所と言えるかもしれない。

●森ヶ崎水再生センター

西施設の排水口は2014年7月5日(土)に観察したが、アブラコウモリはいなかった。隣接する水再生センター敷地内を1頭が飛翔するのを観察しただけである。この時は呑川に沿って観察をした。排水口から北西方向、アブラコウモリが多いらしい沈殿池付近には行かなかった。
東施設(昭和島)の排水口には近づけない。

以上が観察できた施設である。

他の施設の排水口は以下のようになっている。

有明水再生センターは有明西運河に排出しているとのことだが、地図上では排水口の位置を確認できない。

砂町水再生センターは排水口に近づくことができない。

以上を比較しても、新港南橋は非常に安定したユスリカの活動場所=アブラコウモリの活動場所であることがわかる。

ただし、他の施設では排水口すべてを確認できたわけではないし、季節的にユスリカの発生数が増減することがあるようなので、長期的に定点観察した方が良さそうである。

■11.課題

宮本隊長が現在のリソース(金、時間)でできることはこの辺りが限界である。
あとは他人に任せることにしたい。あるいは十分なお金と時間が得られれば再開も考えられるが、コウモリよりもタヌキ、アナグマなどの方が優先かもしれない。

今後の課題には次のようなものがある。興味を持たれた方はぜひ挑戦してほしい。

・24時間365日、超音波の録音と気温の記録

アブラコウモリが夜中や明け方はどの程度活動しているかはわかっていない。だが、私でも誰でも毎日観察に通うことは不可能である。24時間365日、自動で観察することができればより詳細な活動の様子がわかる。
アブラコウモリの頭数を判定することはかなり難しいが、超音波を録音すれば傾向はわかる。活動が多い時よりも少ない時の観察の方が重要なので、超音波の録音でも役に立つのである。

記録装置は、バットディテクター、ボイスレコーダー、バッテリーの組み合わせでもなんとかなりそうではある。
問題はバッテリーの持続時間である。さすがに毎日交換に行くのはきついだろう。少なくとも数日は持ってほしい。それには大容量ポータブルバッテリーを使うことになるだろうが、機器との接続には工夫がいるだろう。
なお、橋の下に設置できれば雨でぬれる心配はなく、防水のことは考えなくていい。

気温については自動記録装置が市販されているのでそれをそのまま利用できる。

・コウモリの数を正確に数える方法

コウモリの数を正確に数えることは難しい。多数の小さな動物が高速で飛び回っているのだから当然のことである。
暗視装置は視野が狭くて計数には使えない。夜間撮影機能がついたビデオカメラも視野は狭く役に立たない(これは実際に試してみた)。
視野360度のカメラはあるが、まっ暗な環境では使えないだろう。
高度な技術を組み合わせればなんとかなるのだろうか…。

・ねぐらの確認

1年半観察しても結局、アブラコウモリのねぐらは発見できなかった。新港南橋の下部のどこかにねぐらがあるのは間違いなく、こちらもそれなりに注意していたつもりだったがわからなかったのである。
橋の下なので視点位置が限定されることになり、死角が多かったためでもある。

定点観察カメラ(夜間撮影対応)をあちこちに設置して観察するしかないだろう。

・ユスリカ生態系

新港南橋ではユスリカを中心とした特異な生態系が成り立っている。
ただし、卵、幼虫、蛹、成虫の各段階がどこでどの程度存在しているのか、そして季節変化はまったくわからない。さらに、ユスリカを食べるためにどのような生物が集まっているのかも十分にわかっているわけではない。
このユスリカ生態系の全体像の解明も必要なことだと考えている。

・他の下水処理施設の排水口周辺での定点観察

下水処理施設は全国各地にある。すべての処理施設でアブラコウモリあるいはその他のコウモリが集まってくる可能性があり、冬でも多く活動が見られる可能性もある。
興味のある方はぜひ地元の処理施設を調べてみてほしい。

■12.最後に

1年半以上にわたって続けてきたアブラコウモリ観察だったが、当初の予想をまったくくつがえす生態を発見できたのは大きな成果だった。自然豊かな環境でもないのにこのような発見ができるというのは愉快なことである。

都市に野生動物が生息しているのはごく普通のことなのだが、「都市=自然がない」との思い込みはいまだに強く、その存在は見過ごされている。
アブラコウモリは東京都23区でも生息数は多く、観察も容易であるが、見たこともない人が大多数であろう。
東京都23区住民にとっては野生動物は「異世界(ファンタジックワールド)の生き物」という感覚なのだろうが、実際は「お隣さん」であることを知ってほしいものである。

東京コウモリ探検隊!も東京タヌキ探検隊!も活動は今後も続いていく。そのうちまた面白いことが報告できるかもしれない。ぜひご期待ください。そしてぜひ参加もしてください。


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