東京コウモリ探検隊! 探索録
2025年06月30日の巻
2025年06月30日(月)
前回のアブラコウモリ探索から時間が空いてしまった。ここまで何をしていたかというと、5月は雨だったり低温だったりで行くことができず。そうこうするうちにまた現場で人が足りない状況になってしまった。だいたいは土曜日に仕事に行くことになり、始発2本目で出勤しなければならない。そしてこの仕事だけでも1万歩を軽くオーバーするとなると土曜の夜にアブラコウモリ探索は無理ということになる。
このままではいつまでたっても探索に行けない。なんとか探索時間をひねり出さなくてはならない。昨年は毎日のように現場仕事だったがそれに比べると今年は平日の現場仕事はほとんどないのは助かる。土曜日仕事の代休もとれそうだ。ならば代休の夜に行くのはどうか。翌日が現場仕事でなければなんとかなりそうではある。
ということで6月30日(月)、久しぶりにアブラコウモリ探索に行った。前日も休みなので疲れはない。今回も荒川西岸を下るが、前回ゴール地点から少し戻って足立小台駅、扇大橋からスタートする。
夕方に自宅を出発すると、千代田線、舎人ライナーは帰宅に重なり満員である。舎人ライナーに乗ったことがある方はご存知のただでさえ狭い車内が満杯になるのである。まあ、朝夕の丸ノ内線の方が満杯度は上だが。
足立小台駅には日没直前に到着。
堤防から荒川河川敷に下りると、道路脇にネコが1頭座っている。これは明らかにエサを待っている様子だ。夕方にエサを持ってくる人がいるのだろう。ネコはヒトに依存して生きている。こういうネコに共通していることだが、知らないヒトは近づくことができない…。このネコもそうだった。
今回は水面に近い場所もなるべく歩く方針にする。野球、サッカーのグラウンドが多く、高木があるのは水面近くであることが多いからだ。川沿いを進むとオオヨシキリの鳴き声が前方から聞こえてくる。この先にはヨシ原があり、そこから聞こえるのだろう。
空は薄赤い雲がきれいなので写真を撮る。西空には月も見える。
19時27分、ヨシ原が始まる辺りでようやくアブラコウモリの超音波を確認する。草がほとんどないグラウンドよりヨシ原の方が食べ物になる昆虫が多いのは当然だ。このヨシ原の一帯は千住桜木自然地という名前がついている。この後は所々でアブラコウモリを確認できた。前回は扇大橋~墨田水門の区間はまったく確認できなかったので、気温の違いが活動に影響することがよくわかる。
前回5月の探索はゴールデンウィークでまだ寒かったが、今日は十分に暑い。最高気温は32℃を超えている。今日最初のアブラコウモリ観察時はまだ28℃。熱帯夜の予報なのでこの後も25℃を下回ることはない。もし昼間の屋外なら熱中症の危険が高い。夜はその心配は無いが飲み物持参は必須である。河川敷にはジュースの自動販売機などないのだ。まあ、堤防を越えて住宅地に行けばあるのだが。今日は風も吹いているのであまり暑いと感じないのはありがたい。
今年は6月中旬から急に気温が高くなった。まだ梅雨だというのに暑くなるのが早すぎる。私の現場仕事というのは主に屋内の中作業なのだが、いつでもどこでも冷房が効いているということはなく、熱中症のリスクが多かれ少なかれある。意外と危険な環境であるし、体力も削られる仕事である。今年は厚生労働省が職場の熱中症対策を推進しだして慌てて対応している会社も多いことだろう。だが慌てても職場環境は変えられないものなのだ…。
荒川からは東京スカイツリーが見える。今回のルートでは右手側に見えることになる。が、堤防が高く、距離もあるためかその姿は見えなかった。しばらく歩いていくと、堤防の上にスカイツリーの頂上が見えてくるようになる。さらに進んでいくとさらに下の方も見えてくるようになる。
北千住辺りでもアブラコウモリは確認できている。今回は順調である。だが東武伊勢崎線鉄橋から先でしばらく確認が途切れる。
しばらく行ったところで、そういえば、この辺りの対岸が綾瀬水門ではなかったか?と思い出す。綾瀬水門はアニメ「SSSSダイナゼノン」で何度も登場する場所である。対岸を見ると…あれか。
小さくシルエットしか見えない。さすが荒川の川幅は広い。
京成本線の手前でアブラコウモリ確認。ここからまた確認が途切れる。
京成本線の鉄橋では鉄橋の工事が続いているはずである…が、おやや、何も無い。道路は迂回路のままになっているが、その左右にあった資材機材が一切合切なくなっている。まさか工事が終わったわけはないから、次の工事段階に向けて入れ替えをしているところなのか、台風シーズンなので河川敷のものを引き払ったのか、というところだろう。
そして前回のゴール地点、墨田水門に到着。今日はまだ先に進むが、ここからは本当に高木が少ないエリアになる。これはアブラコウモリが好まない環境だが、住宅地の方も緑地があるわけではない。ならば逆に数少ない高木にアブラコウモリが来るのではないか?と予想することもできる。草原と高木を比べた場合、アブラコウモリが好むのは間違いなく高木である。
ちなみに墨田水門から墨田区になる。
次にアブラコウモリを確認できたのは四ツ木橋の手前である。ここからはまた順調に確認できるようになる。
京成押上線鉄橋と木根川橋の間にあるのが八広水辺公園。前回2017年に来た時は花壇があった記憶がある。2019年の台風で水没したためか風景が違っているように見える。が、それは夜だからそう見えるのかもしれない。
対岸にかつしかハープ橋が見える辺りまで来るとスカイツリーは右後方になるため視界に入らなくなっている。振り返るとスカイツリーも見えるが月もまだ見えている。22時に近い時間でも見えているということは五日月ぐらいだろうか。
その少し先に木下川排水機場の水門があるが、ここからは江戸川区になる。江戸川区は荒川の東岸が主領土なのだが荒川西岸と旧中川にはさまれた領域も飛び地のように江戸川区領となっている。荒川放水路が掘削される前の境界が残っているのだ。
平井大橋を越えた所が今日の終着地点。すぐ先にはJR総武線鉄橋がある。ケヤキの大木があり、そこでもアブラコウモリの超音波を確認できた。この大木、河川敷にしてはかなりの大きさである。樹齢はいくつなのだろうか。まわりはポピー畑らしいのだが、もうポピーの季節は終わってしまっていて何もない。
ここからはすずらん通りを通ってJR平井駅へ行く。ここで観察終了。
今日は日没時刻が19時01分だった。これは東京では年間で最も遅い時刻である。昼の長さが最も長くなるのは夏至の日だが、日の出、日の入りが最も早く/遅くなるのは前後にずれる。この時期に注意しなければならないのは、頑張りすぎて23時近くまで探索をしていると終電ぎりぎりになってしまうことである。早めに切り上げるよう計画しなければならない。今回の帰宅は23時30分ごろだった。
帰ってからは最低限のデータ整理だけしておく。経路を確認すると12kmも歩いていた。
さて、翌日。仕事への影響は抑えられそうだ。ちょっと脚に疲労が残っているけれども。
日没時刻 19時01分
観察箇所数 23
歩行距離 12.00km
歩行時間 約3時間30分
気温 28℃→26℃
筆了2025年07月08日(火)