東京コウモリ探検隊! 探索録
2025年07月31日の巻
2025年07月31日(木)
今週は月曜にアブラコウモリ探索に行くはずが、また現場で人が足りなくなったため急遽月曜火曜水曜と現場仕事になってしまった。しかもかなりの高温である。この3日で計45000歩以上も歩いているので代休の木曜に探索に行くかどうか少し迷ったのだが今回はそれほどの距離にはならないだろうと判断し出かけることにした。
今回は皇居1周である。前回は2014年9月下旬に1周している。皇居のアブラコウモリについては文献もあるので興味のある方は読んでみてほしい。
皇居におけるアブラコウモリのねぐらと採餌場所 (繁田真由美、繁田祐輔、遠藤秀紀、2006年)
皇居1周と言えば皇居ランである。1周が約5kmと手頃な距離で交通アクセスも良いので人気のコースだ。ただ、ラン専用路ではないため歩行者も自転車もいるし、歩道が狭いところもある。ルールは反時計回り。宮本隊長の探索は徒歩なので歩道の左端に沿って歩くよう心がける。
今日のスタート地点は桜田門。ランのスタート地点は特に決まっているわけではないが、地下鉄駅がある桜田門はよく使われるスタート地点のひとつらしい。日没直後なので観光客も含め人が多い。桜田門ではさっそくアブラコウモリを確認できた。門を入って少しの所でランのコースから外れる。ランは舗装路を行くが、こちらは砂利道に入っていく。ちょっと歩けばニュース映像で有名な正門石橋が見える所に着く。日没後の暗い時刻でも外国人観光者が何人か来ていた。
反対側を振り返ると丸の内のビル群が見渡せる。
さらに北に進むと坂下門前に着く。濠に沿って行くと写真の桔梗門。この桔梗門から大手門までがアブラコウモリが多いエリアである。なぜここに集まるのかはわからないが、食べ物があるからということだろう。もう暗くなっているが、日没直後ならアブラコウモリを視認できるはずだ。アブラコウモリは昆虫がいる低い高さを飛ぶ。目の高さより下を注意してみると良い。内堀通りは街灯が明るいので暗くなってからもなんとか見えるかもしれない。今回もなんとかアブラコウモリを視認することができた。
内堀通りに出るとランのコースと合流する。この辺りはまだ道幅は広いが、ランナーの邪魔にならないよう左端に寄る。大手門が近づくと水面が植物で覆われてくる。するとアブラコウモリがいなくなる。植物があれば昆虫もいそうな気がするがそうでもないのだろうか。この先はアブラコウモリは少ない。竹橋を通過。ここからは標高が徐々に高くなる。
高速道路の入口の横断歩道を北へ渡る。皇居1周コースからは外れて北の丸公園に入る。北の丸公園内は時計回りに歩いていく。
途中の池の橋ではすぐ北にアオサギが1頭立っていた。距離はあるのでこちらを警戒しつつもじっと立ったままだった。かなり暗いがiPhoneで写真を撮ってみる…。かなり粗いがアオサギであるとはわかる。ちなみにiPhone16を使っているのだが最近のiPhoneは暗い場所でもそれなれに撮れてしまうのでありがたい。アブラコウモリ探索は夜間オンリーなので恩恵は大きい。なお、掲載している写真はサイズ調整をしている以外はどれも無加工である。
さらに進むとそこには輝くブドーカーン! 今日はイベントはやってないらしく静まりかえっている。人はいなくても建物は輝いている。
ここから南へ戻ることにする。歩きながら、東京の気温の計測場所は北の丸公園にあったはず、と考えていた。しかしまあ今から探さなくてもいいか、とそれ以上は考えなかった。後日調べると、なんとアメダスのすぐ近く30mまで接近していたことがわかった。しまった!次に来るのは探索3周目、10年後ぐらいになる予定。
北の丸公園を出て再びランのコースに戻る。
今日も月が出ていることはわかっていたが、その横に明るい星があるのに気づく。惑星かと思ったがちょっと暗い。後で調べたところスピカらしい。
半蔵濠に出た先の交差点のところで観光客のカートの集団が追い越していく。外国人観光客がよく乗っているあれである。カートは8台。最後尾にコース案内らしいリバース・トライク1台がぴたりと伴走している。以前は某ゲームキャラのコスプレで運転していたのだが、さすがに著作権的に問題だったのか今は普段着で、代わりにカートには行灯が掲げられている。なぜ行灯?
半蔵門を過ぎると桜田濠が見渡せる。見晴らしがいいのは標高が高いからだ。見下ろすと水面ははるか下にある。Google earthで調べると道路と水面は20m以上の標高差がある。標高が高い皇居西側はアブラコウモリの超音波がほとんど聞こえないが、本当にアブラコウモリはいないのだろうか? というのもバットディテクターがアブラコウモリの超音波を聞き取れる限界は20~30mまでだからだ。標高差は20mでも斜面になっているので観測場所から水面までの距離はそれ以上になる。つまり水面近くにアブラコウモリがいても超音波を聞き取ることができない可能性があるのだ。濠の斜面を下りていって水面近くで確認してみたいものだがそんなことをするとあっという間にお巡りさんがわらわらと出てきて取り囲まれそうなのでやらない。でもいつかは許可を取ってやってみたい。
半蔵門からは標高は低くなっていく。水面はだんだん近づいてくる。水面は近いが超音波は聞こえない。やはりアブラコウモリはいないのだろうか。
そして桜田門前に到着。1周完了。北の丸公園での時間を除くと94分かかった。時速3km少々といったところで遅いペースのように見えるが今回は観察の時間もとりながらなので実際には歩行速度が遅かったわけではない。
前回2014年に比べると今回の方が観察地点が多いが、季節的な活動量の違いによるものだろう。
皇居1周は終わったがそのまま東へ進み、日比谷公園に入る。樹木もあり池もあるというアブラコウモリが好みそうな公園である。雲形池ではアブラコウモリ確認。大噴水は工事中のため一帯に入れない。心字池はその手前で超音波を確認できたが池にはいなかった。池にはカイツブリらしきシルエットが2頭見えた。
日比谷公園を出て日比谷通りを北上する。白いカタマリが遠くの水面に見える。2つ離れて浮いていた。あれは睡眠中のハクチョウだったのだろうか?
行幸通りに交わる交差点に着いたが、東京駅は暗くて見えない。この時間はライトアップは終わっているのか。時刻はもうすぐ22時。行幸通りの脇のビルが工事中となっている。フェンスの向こうには構造物が見えないので基礎工事の最中なのだろう。地図で見ると東京海上日動ビルがあったところだ。いったん和田倉濠まで行き、引き返して工事のところに戻る。説明書きによると東京海上の新ビルが建つとのこと。少し期待して工事区画のまわりを3/4周したがアブラコウモリはおらず。さすがに工事現場には来ないか…。
これで今日行くべきところは全部回った。この場所からは丸ノ内線・東京駅の出入り口はすぐそこ。
今日は長距離ではないと思っていたが、結局10km歩いているではないか。だいたい14000歩。今日も結構歩いた。
日没時刻 18時46分
観察箇所数 31
歩行距離 10.2km
歩行時間 約3時間00分
気温 29℃→27℃
筆了2025年08月10日(日)