東京コウモリ探検隊! 探索録

2026年05月26日

2026年05月26日(火)

今年最初のアブラコウモリ探索、今回のメインの目的地は等々力渓谷となる。
本当は多摩川沿いを歩いた昨年行くつもりだったが、渓谷が一部通行止めだったため延期していた。倒木があったため、その対策工事を行っており数年間立入禁止になっていたのだ。今年春にようやく再開通した。渓谷の両岸は急斜面に木が立っていて、確かにに危なそうな場所である。

等々力渓谷を流れる川は谷沢川という。谷沢川の開始地点は用賀駅そばの田中橋。ここが今日の出発地点となる。この場所は高速道路の下である。高速道路の下に突然、川が現れている。暗渠をさかのぼると砧公園に達するが、現在の水は仙川から引っぱってきている。遠くから水を運んでくることは他でも例があるので驚きはしない。
谷沢川は3面コンクリート張りの川で、川というより水路のような見かけである。こういう所でもアブラコウモリはいる。ただし、今回は246号線まででは1か所でしか観察できなかった。これが今年初のアブラコウモリの確認、ただし超音波のみ。前回2014年に来た時はもっといたのだが…。気温や時間などの条件が違うからだろう。
246号線では歩道橋を渡る。
ここからは川の両岸が桜並木になっている。樹木が多いと昆虫も多く、アブラコウモリも集まる、という法則の通りさっそくアブラコウモリを確認できた。水面を見下ろすと、アブラコウモリ1頭が往復している様子を見ることができた。
桜並木が終わると街路樹の密度は下がるが、アブラコウモリは途切れ途切れながらも観察できた。この後は住宅地の中を流れる川をずっと下るだけで、あまり見るものはない。

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途中、超音波水位計を発見。下向きのラッパのような形をしていて、ここから真下に超音波を発射しその反射音が戻る時間を計測して水位を測るという仕組み。大雨による増水に備えて、23区内の中小河川ではよく見るものである。40kHzぐらいの超音波なのでアブラコウモリの超音波と音域が重なるが、水位計の方はゆっくりとしたパルス音なのでアブラコウモリにはまったく影響ない。実際、この付近もアブラコウモリは飛んでいた。

矢澤橋からは川が道路を離れ、住宅の間を流れる。そのため川に沿って歩くことはできず、迂回することになる。次の姫之橋に向かっている時に気がついた。谷地形になっている…。川の流域は標高が低くなっている谷地形になっているのが普通である。だがここまでまったく気がつかなかった。ということはほとんど平らな場所を川は流れていたのだ。 姫之橋の辺りでは川は真ん中に仕切りがある二重水路になっている。なぜ?

谷沢川と道路が交差する地点をたどっていくと、東急大井町線の踏切に達する。その脇に沿って谷沢川が流れている。この辺りでは水面もかなり深くなっている。南へ進むと権蔵橋公園、ここでもアブラコウモリを確認。次に東へ進んでいくとゴルフ橋に出る。いよいよここからが等々力渓谷である。アブラコウモリの超音波も聞こえる。

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ゴルフ橋の脇の階段から遊歩道に下りていくのだが、このような掲示がされていることからもわかるように、本当に真っ暗である。ここは23区内で最も暗い場所と言える。暗いならば例えば荒川河川敷も街灯がないので暗いのだが、空は開けているのでまだ明るい方である。ここは頭上を樹木がおおっているので本当に真っ暗になってしまう。足を踏み外すと川に落下してしまい非常に危険である。そのため懐中電灯は必須となる。気温も渓谷の底では少しだけ低いようだ。
両岸の急斜面を見ると、崩れるのを防ぐ工事がされたらしいことがわかるのだが、暗くてよく見えない。工事写真が掲示されているのでそれとわかる。

等々力渓谷の両岸はかなりの高さがある崖である。が、川はそんなに水量が多いわけでもない。そのため等々力渓谷は人力で掘削したのではないか、という説がある。確かに自然の水流だけでこれだけ削ることは難しそうだが、ヒトが掘削したという記録も残っていない。先ほど谷地形のことを書いたが、渓谷より上流側は自然の川であるのは間違いない。渓谷の出口も谷地形になっている。ということを考えると等々力渓谷も自然地形ではないかと思われるのだが…どうだろう。

大きな橋の下に来る。この橋が環八である。ここでアブラコウモリの超音波を確認。渓谷ではここまでアブラコウモリを確認できなかったが、いないということではないだろう。アブラコウモリが樹上の空間で活動しているならば、川面からはあまりに高すぎて超音波が聞こえてこない、ということだろうと推測できる。

少し南下するとようやく街灯が設置される区間に着く。さらに進むと対岸に稲荷神社があるのだが…。

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このように近づけなかった…。残念。
ここからはすぐに渓谷の終わりとなる。

多摩川に近くなると、谷沢川と丸子川との交差点に到着する。交差点? そう、交差点! ここは世にも珍しい川の交差点なのである。最初、Googleマップでここを見た時、どういうこと??と思ったものだ。こんなことになっているのは、丸子川が人工の水路、六郷用水だからだ。実際、かつては本当に立体交差していたそうだ。現在はここで合流して谷沢川として多摩川に流れ込んでいる。ここからの丸子川はポンプアップした水を流している。そのため突然ここから川が浅くなっている。

さて、2024年に丸子川を歩いた時にこの場所にも来ているが、相変わらず谷沢川の分⽔路の工事が続いている。分⽔路は上流の246号線脇から水を取り込んで、この地点までトンネルで流してしまう、というもの。トンネル工事はシールドマシンが黙々と穴を掘っているため地上からはその進行具合はまったく見えない。今年完成らしいのだが本当か? 水を取り込むのがかなり上流なのも気になる。そんな上流で水を分けないと行けないほど大水になるということか?

ここからは谷沢川沿いには進めないので、丸子川の玉根橋まで行ってそこから多摩川を目指す。ここでも大規模な工事をしている。先ほどの分流路とは別のもののようだ。等々力大橋? ん? え? どういうこと??  ええっ、ここから多摩川に橋をかけるの? 2024年の時は気づかなかった。こんなことになっていたとは。この道路を橋につなげるのか…。これは大工事になりそうだ。

多摩川の堤防である多摩堤通りに登り、谷沢川に向かう。谷沢川の辺りではアブラコウモリ多数の超音波が聞こえる。この辺りはやはりアブラコウモリが集中しているのだな、と確認。ただ、その理由はわからない。暗くて周囲もよく見えない。工事のための用地になっているのはわかるのだが。

ここから多摩川河川敷に下りる。今日の目的の等々力渓谷は終わったのでもう帰りたいのだが、最も近い駅は等々力渓谷を逆行して等々力駅となる。が、それもなんだかなあ。次に近いのは二子玉川駅か丸子橋近くの多摩川駅。この辺りの多摩川河川敷は探索2周目ではまだ歩いてなかったのでちょうどいい。今日は下流の方へ向かうことにする。
この付近の多摩川には橋がない。上に書いたように二子玉川か丸子橋にまで行かなければならない。第三京浜道路は自動車専用なので除外とする。確かにその中間に新しく橋をかけるのはいい考えではある。
河川敷に下りてすぐが谷沢川水門。谷沢川の続きである。ここでもアブラコウモリ多数。

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そしてすぐ先には、橋脚がもうできている。対岸まで3つ。だがここからの工事が長いのだ…。完成はいつになるのだろう。探索3周目の時は完成しているだろうか。

ここからはひたすら河川敷の道を歩くだけである。やはり樹木があるとアブラコウモリがいるようだ、ということを確認しながら進む。対岸には武蔵小杉のビル群が見える。前方には東急東横線を渡る電車のあかりがみえる。

さらに進んでいくと細い道に分岐する。そちらへ進むと河川敷がほとんどなくなる。歩道は続いているように見えるが、その先には堰がある。堰の脇を通り抜けなんてできるのか? そうなのか? とにかく行ってみる。この道がまた真っ暗で、再び懐中電灯の登場となった。堰に近づいてくると前方から人が来てすれ違った。ということは堰の脇は通り抜けられると判断した。もし行き止まりなら注意の看板だってあるだろう。

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堰に到着。この堰は調布取水堰という名前だ。東急東横線のすぐ北にあるので電車から眺めている人もいるだろう。私はいつも座って寝ているので見る機会はほぼない。「ギャッ」というサギの鳴き声が聞こえるが、姿は見えない。堰の脇は確かに通り抜けられた。細い通路がつながっている。

少し進んで丸子橋の手前で堤防の階段を登る。そしてまっすぐ多摩川駅へ。今日の探索はこれで終了。

日没時刻 18時47分
観察箇所数 36
歩行距離 約7.9km
歩行時間 約3時間30分
気温 24℃→22℃

筆了 2026年6月15日

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