東京コウモリ探検隊! 探索録
2026年06月13日
2026年06月13日(土)
6月3日(水)の朝は台風6号で大雨だった。宮本隊長はこの日は代休にしていたので自宅でやり過ごしていたのだが、現場のことも気にかけなければならないので早朝から落ち着かない。夕方には青空も見えてきたのだが、気温が早々と20℃を下回ったためアブラコウモリ探索はあきらめた。
午後になって、杉並区にレベル4の警報が出ていたことを知る。テレビのニュース映像を見ると善福寺川が増水していて、杉並区が洪水で水びたしになったと思ったヒトがいたかもしれないが、おそらく川の水はあふれなかったはずだ。神田川、善福寺川、妙正寺川には途中途中に調整池や地下トンネルがあり、増えた水をためこむことができるようになっている。この程度なら抑え込むことができるはず、なのだ。
アブラコウモリ探索に行けたのは、仕事の都合などで6月13日(土)になった。久しぶりに土曜日曜が休み。世間的にはワールドカップがどうのこうのだそうだが宮本隊長にもアブラコウモリにも関係のないことだ。タヌキにも。
今回は水元公園へ行く。前回、水元公園に行ったのは2018年。JR金町駅に着くと、ホームも改札も通路も昔のままでほっとする。駅南口も前と同じ…ようなのだがなんか違うような気もする。後で調べたら南口正面のビルは初めて見るものだった。前回来た時は工事が始まった頃だったらしい。なぜわかったかと言うと、Googleマップのストリートビューは過去の画像を確認したからである。この機能は時々役に立つ。バスに乗って水元公園へ向かうが、その途中の風景も前とだいたい変わらないようだった。
探索の出発点は水元5丁目バス停。ちょうど日没時刻に出発する。まずは北へ向かう。大場川沿いでさっそくアブラコウモリを確認。水元公園の入口前を通り過ぎて、閘門橋へ向かう。閘門橋、またの名を弐郷半領猿又閘門。「にごうはん」も「さるまた」もこの付近の地名。100年以上前に、中川からの増水をくい止めるために作られたとのこと。ネット検索すると言及しているページは意外と多い。宮本隊長には価値がよくわからないので説明はそちらに任せたい。

閘門橋は埼玉県との境界ではなく、境界は橋の少し北になる。閘門橋からはアブラコウモリが多数視認できた。上空にも水面近くにも飛んでいる。南岸が水元公園の森なので昆虫も多いのだろうとわかる。水元公園は水場も樹木も豊富なのでアブラコウモリは多く生息しているだろう。
橋から少し戻り、水元公園に入る。この先は水場か樹木がある場所ではほとんど途切れなくアブラコウモリの超音波が聞こえることになる。自然環境が良好であることがよくわかる。
カワセミの里近くの橋からは西空に金星が見えた。帰ってから確認するとすぐ下には木星もあったはずなのだがなぜか見えていなかった。ちょうど雲に隠れていたのか? ここからは小合溜に沿って進んでいく。小合溜は川をせき止めた池で、江戸川まで続いている。大部分は埼玉県との国境となっていて、つまり、ここは23区最果ての地なのである。江戸川も千葉県国境なので、今日は国境地帯を歩き続けることになる。最果てと言うだけあって、水元公園はアクセスが遠い場所である。鉄道駅からは遠く、バス路線も限られている。公園が広すぎてバス停からもまた遠い。頻繁に来れる場所ではない。が、昔は宮本隊長はよく来ていた時期があったので暗くても道は覚えていた。
キャンプ広場に接する囲いの中にはカラストラップがあるはずだったが、真っ暗の中をよく見てもそれらしいものはないようだった。もう撤去してしまったのか? カラストラップというのは増えすぎたカラスを捕獲するために都内各所に設置されたもので、大きな鳥小屋のような外見をしている。さらに進んで「水生植物園」の池ではアブラコウモリが多数飛んでいることが超音波でわかる。周囲は真っ暗だが肉眼でも1頭2頭がなんとか確認できる。
その先にあるのが6番観察窓である。前回、等々力渓谷が23区内で最も暗い、と書いたが、水元公園も森の中の街灯がないところは本当に真っ暗である。だから今回も懐中電灯は持ってきた。そんな闇の先に6番観察窓はある。観察窓とは、水場に面して高い壁を設置し、壁に開けた窓から水鳥などを観察できるようになっている場所。水鳥は人間を気にしなくていいので、すぐ近くに来ることもある。夜は暗すぎて鳥がいるかどうかもわからない。アブラコウモリも超音波は聞こえても目視ではまったく見えない。
森の中の道を進んで行くと次は5番観察窓がある。ここは少し大きめの観察場所になっている。写真では少々明るいように見えるが実際は真っ暗である。5番観察窓の辺りもアブラコウモリは多数いることがわかる。ただ、アブラコウモリ以外のコウモリもいるのではないだろうか、という疑問もある。観察窓がある一帯はバードサンクチュアリになっており、大きな森である。この環境なら他のコウモリがいても不思議ではないが、宮本隊長は他のコウモリの知識がないため判別ができない。バットディテクターの音を聞く限りではアブラコウモリだけしかわからなかった。自分の耳に直接聞こえる超音波もなかったため、ヒナコウモリはいなかっただろう、とは言えそうだ。

ところで、水元公園には当然ながら当たり前にタヌキが生息している。アライグマもキツネもいるかもしれない。そのためタヌキなどに遭遇する可能性を常に念頭に入れておかねばならない。今回は残念ながら遭遇はできなかった。
またまた進んでいくと4番観察窓に到達。ここではさらに多数の、本日最大の超音波が聞こえた。だがやはりまったく見えない。
4番観察窓の近くは一部の森が水没しているようだった。大雨の排水ができないのだろうか。その先では道の脇にやたら掲示がされていた。なになに、オオタカが営巣している、と…。オオタカが警戒するので立ち止まらないこと、カメラを向けないこと…。それに道路を離れて森に入らないように、ともある。どうやらマナーの悪いカメラマンたちがいるようだ。
森を抜けると記念広場。開けた水辺に立つとアブラコウモリが目視できた。メタセコイアの森を抜けるとガマ田がある。背の高い植物が茂っているがいわゆるガマの穂はない。穂がつくのは秋になってからである。ガマ田を抜けると岸に沿って進む。途中、アオサギ1頭がいた。さらに進んで噴水広場。ここはバス停に近く、公園の玄関、という場所。そこに接する水元大橋を渡るとはなしょうぶ園がある。
はなしょうぶ園では葛飾菖蒲まつりが開催中だった。と言っても夜なのでヒトはいない。無人の露店が広場に並び、飾り付けられたステージも暗い。昼間はにぎわっていたのだろうか。はなしょうぶ園もアブラコウモリでにぎわっていた。池の上の木道はまだ新しいようだ。最近改修したのだろうか。
この時点で21時。急に心配になってきた。なにが心配なのかと言うと終電の心配である。この後の探索ルートはまだ長く、1時間では金町駅には到達できない。そうなると終電に間に合うかどうかあやしくなってくる。しかしこの最果ての地にまた来ることは避けたいので、予定通り探索を続けることにする。ここからは細くなった小合溜沿いに進み、江戸川を目指す。
水辺のさとエリアを抜けてバス通りを渡ると広場になる。樹木も減り、アブラコウモリもここで途切れた。小合溜は細い水路になっている。アブラコウモリもまったくいないわけではないがこの環境は人気がないようだ。高速道路の下をくぐり、駐車場の先で北に向かう。修景池という人工池にはアブラコウモリがいる。
さらに北に進むと小さな広場がある。ここが埼玉県との国境で、本当の23区最果ての地と言えるだろう。と言っても埼玉県側は普通の住宅地である。わざわざここまで来たのは理由がある。この広場の辺りの3次メッシュがわずかに東京都にかかるのである。アブラコウモリ探索の結果は3次メッシュ地図で示すことになるがひとつでも多くのメッシュを塗りつぶしたいのでこのような小さなエリアにも足を運びたいのだ。この広場でもアブラコウモリを確認。その東の不動池付近もまた別のメッシュなのだがここでも確認できた。今日の最大の目的地はこれら2メッシュで、そこでアブラコウモリを確認できたのだから満足である。
不動池の隣はサッカー場がある。そこに近づいた途端、あかあかと点灯していた照明塔が真っ暗になった。本日の利用が終わったため消灯したのだ。消灯直前にアブラコウモリの超音波を確認できていた。真っ暗になっても超音波は続いていた。アブラコウモリは照明に集まっていた昆虫を食べに来ていたのだが、暗くなってもすぐに昆虫の活動が終わるわけではないようで、アブラコウモリも居続けているのだろう。
歩道橋を渡ると江戸川河川敷。水元公園からようやく脱出する。ここからは河川敷をひたすら南下する。河川敷にもアブラコウモリはいるが多くはない。樹木が少ないので当然か。
葛飾大橋を通過した所で河川敷の様子が変なことに気づく。…これはゴルフ場か。ところどころグリーンらしきものが見える。コースを区切る樹木がまったくないのでうっかりするとただのグラウンドだと思ったかもしれない。
ゴルフ場が終わると、道沿いに樹木が茂っているエリアが続く。ここではずっと途切れなく2頭以上のアブラコウモリがいるようだった。JRの鉄橋に到達。ここが今日のゴールである。樹木地帯はまだ続いているが、もう時間切れである。この先は次回の楽しみとなる。さて、ここから金町駅を目指すが、どこから堤防に登ればいいのだ? Googleマップを見ても近くに階段も斜路もない。しかし遠回りしている時間もない。暗い中よく見ると斜面の一部がコンクリ板になっている。そこを登って堤防の上に出た。
金町駅には22時35分に到着。終電前には帰れそうだ。それでも帰宅は0時直前になった。
今回、写真が少ないのは急いでいたせいもあるがよく知っている風景であるためわざわざ写真を撮る気にならなかったからだ。それに暗い場所ばかりでわかりにくい写真にしかならなかっただろう。
日没時刻 18時58分
観察箇所数 54
歩行距離 9.9km
歩行時間 約3時間30分
気温 25℃→23℃
筆了 2026年6月19日
