アブラコウモリを見つけよう
(2020年春の特別な休みのために)

小学生、中学生、高校生の皆さま。
新型コロナウイルスのために突然の休みになってしまいましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ちゃんと勉強してますか? 遊びすぎていませんか?

せっかくの機会ですから、普段とは違うことにチャレンジしてみるのはどうでしょうか。
そこで東京コウモリ探検隊!の宮本隊長から皆さんにご提案があります。
コウモリを観察してみませんか?

皆さんはコウモリを見たことはありますか? 動物園以外で見た人はとても少ないでしょう。ところが、コウモリは私たちの住んでいる所にも生息しています。
「アブラコウモリ」というコウモリはは都会でも(東京都23区でも!)普通に見られるコウモリです。ところが実際には見たことない人がほとんどです。
その理由は、いつでもどこでも見られるわけではないから。でも、逆に言うと、いつどこに現れるかがわかれば簡単に発見できるということです。

アブラコウモリの見つけ方は下に書いてあります。ぜひ挑戦してみてください。

道具

時刻を確認するための時計。

観察場所

家の近くの次のような場所で観察してみてください。

・川や池
小さな川でも飛んでいます。
アブラコウモリは水面近くを飛ぶことが多いです。上よりも下を見ましょう。

・木が多い公園や林
木よりも高い場所や木の上のあたりを飛びます。

気温

今はアブラコウモリの冬眠が終わり、活動を始める時期です。

アブラコウモリが活動する/しないの気温の境目は約15℃であることがわかっています。15℃以下では活動はほとんどありません(活動することもあります)。ですので前もって日没時刻頃の予想気温を調べておくとよいでしょう。

予想気温は天気予報のホームページやアプリで調べることができます。
寒すぎる日は観察に行く必要はありません。

気温計を持っているならば観察時の気温を現場で確かめてみるとよいでしょう。

東京都23区の場合、3月に日没時刻に15℃以上あるのは5〜10日ぐらいはあるようです。

観察時刻

日没時刻頃に始め、30分間ほど観察します。
アブラコウモリが日没時刻前に現れることはあまりありません。
これより後の時刻では暗くなるためアブラコウモリは見えにくくなります。

日没時刻はネット検索で調べることができます。

天気

雨が降るとアブラコウモリは活動しません。小雨なら飛んでいることはあります。
雨が降っていても大きな橋の下では飛んでいることがあります。

アブラコウモリの見分け方

日没後に活動する鳥はあまりいません。この時間帯に活発に飛んでいるのはコウモリですので見間違えることはないでしょう。

アブラコウモリの大きさはスズメより少し小さいです。
鳥は直線的に飛びますが、アブラコウモリはひらりひらりとしょっちゅう飛ぶ方向を変えます。
よく見ると、コウモリ独特の翼の形がわかるでしょう。

観察報告

東京コウモリ探検隊!は東京都23区でのアブラコウモリの生息分布を調べています。

東京都23区ならば観察の日時や場所を知りたいのですが、未成年者が知らない人にメールをするのは良くない、ということになっていますので報告はなくてもかまいません。
報告するならばご家族と話し合い、例えばご両親あるいは学校の先生が代わりに報告するということでもよいです。

東京都23区外は対象外なのですが、上と同じ対応でかまいません。

さらに興味を持ったなら

ただアブラコウモリをながめるだけでは物足りないかもしれません。
そんな時にはさらに観察の範囲を広げてみましょう。例えば次のように…。

・同じ場所で観察を続ける
暖かくなると現れる頭数が増えると予想されます。継続的に頭数を記録してみましょう。最大では何頭のアブラコウモリが現れるでしょうか。

・別の場所で探す
他の場所にもアブラコウモリは来ているはずです。近い場所から探してみましょう。
当然、アブラコウモリが現れない場所もあります
アブラコウモリはどのような場所が好きなのか、推理してみてください。

・他のコウモリを探す
日本には30種類以上のコウモリがいます。
まず図鑑などで調べてみてください。もしあなたが住む地域に他にもコウモリがいそうなら探してみてください。
ただし、山林や洞窟などに子どもだけで行くのは危険です。必ずおとなといっしょに行きましょう。

(2020年3月15日)

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